口腔がん 〜診療ガイドライン

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目次:

第2章 疫 学

口腔がんは顎口腔領域に発生する悪性腫瘍の総称である。口腔は歯以外の表面が扁平上皮からなる粘膜で被覆されているため,病理組織学的に口腔がんの90%以上は扁平上皮癌であり,その他としては小唾液腺に由来する腺系癌や,肉腫,悪性リンパ腫,転移性癌がある1)。ここでは,最も頻度が高い扁平上皮癌を「口腔癌」として述べる。

UICC やWHO は,頬粘膜,上顎歯槽と歯肉(上顎歯肉),下顎歯槽と歯肉(下顎歯肉),硬口蓋,舌,口底に発生した癌を口腔癌と定義し,原発巣の大きさ,所属リンパ節転移,遠隔臓器転移の有無を基準とするTNM 分類を提案している1)〜3)。なお,頬粘膜は上・下唇の粘膜面,頬の粘膜面,臼後部,上・下の頬歯肉溝(口腔前庭)に,舌は有郭乳頭より前(舌の前方2/3)の舌背,舌縁と下面(舌腹)に亜分類されている。UICC によるTNM 分類では,口唇は口腔と一括して取り扱われているが,その中で口唇は赤唇部のみをさし,上唇(赤唇部),下唇(赤唇部)と唇交連とに分けられている。いずれも組織学的確証を必要としている。

口腔癌の疫学的手法としてコホート研究,症例対象研究が積み重ねられている3)。わが国における口腔癌罹患者は1975 年には2,100 人,2005 年には6,900 人であったが,2015 年には7,800 人になると予測されている4)。年齢調整による男女比は3:2 と男性に多く,人口の高齢化に伴って口腔癌の罹患数も増加しつつある(CQ2-15)。口腔癌の中では舌癌が最も多い6)7)CQ2-2)。口腔は消化器系の入り口として,喫煙や飲酒8)〜11),食物などによる化学的刺激に曝露され,また齲歯や不良な歯科補綴物による機械的刺激12)13)があり,発癌にかかわる特殊な環境と危険因子が複数存在することが特徴である(CQ2-3)。

口腔癌は直接見て触れることができるため,その検診は容易に行い得る。口腔癌検診の意義は,口腔癌のみならず白板症や紅板症などの前癌病変,扁平苔癬,鉄欠乏性嚥下困難症(Plummer-Vinson 症候群),梅毒などの前癌状態を含めて,早期に診断し治療することにある14)。口腔癌検診での口腔癌と前癌病変の検出率は0.99%と報告されている15)。なお,日本人における前癌病変の保有率は 2.5%と報告されている16)CQ2-4)。

口腔癌患者には同時性あるいは異時性に重複癌が発生することがある。口腔癌を含む頭頸部癌患者における重複癌の 60〜70%は上部消化管または肺に認められる17)〜19)CQ2-5)。

【参考文献はガイドライン誌『科学的根拠に基づく 口腔癌診療ガイドライン2013 年版』
(金原出版刊行物)添付CD-ROMに収録】


CQ 2-1  
わが国における口腔癌の罹患数はどのくらいか?

2005 年における口腔癌の罹患数は約6,900 人であり,全癌の約1%を占めると推定される。

【背 景】

わが国においては,高齢化社会の到来とともに癌罹患数は増加しており,口腔癌においても同様である。口腔癌の罹患率は民族,国,地域,生活様式ならびに習慣などにより異なる。

【解 説】

口腔癌に関する正確な全国調査は実施されていないが,わが国における口腔癌罹患数は1975 年には2,100 人,2005 年には6,900 人であったが,2015 年には7,800 人になると予測されている。これは,全癌の約1%,全頭頸部癌の約40%を占める。年齢調整による口腔癌患者の男女比は3:2と男性に多く,年齢的には60 歳代に最も多い。人口の高齢化に伴って口腔癌罹患数も増加しつつある1)〜7)15)[Ⅳ]

国際的には,喫煙と飲酒の両方を嗜好する国において口腔癌罹患率が高い8)9)[Ⅳ]。特に南アジア諸国に多い。これは檳榔子(ビンロウジ)などの噛みタバコによる習慣が原因と考えられており,インドにおける口腔癌の患者は全人口の0.5〜5%で,250 万人に達すると推定されている10)〜13)[Ⅳ]。わが国における口腔・咽頭癌による死亡率はフランスやイタリアより低いが,これには食事や習慣の影響が大きいと考えられている14)[Ⅳ]

わが国における癌登録は徐々に普及しつつあるがなお不十分であり,個人情報保護法との兼ね合いも考慮した,より全国的な癌登録が必要である。

【参考文献】

1) 厚生労働省人口動態・保健統計課発行:平成13 年人口動態統計の年間推計,2001.

2) 桐田忠昭,Zheng, Y., 他:わが国の口腔癌の疫学的検討−その推移と将来予測.日口外誌43: 140-147, 1997.[Ⅳ]

3) 内田安信:口腔癌に関する口腔外科全国統計による疫学的研究−1986 年度1,508 症例について.歯医学誌7: 16-26, 1988.[Ⅳ]

4) 新潟県福祉保健部健康対策課編:新潟県のがん登録−平成15 年2003 年標準集計,2007.[Ⅳ]

5) 富永祐民,大島 明,他編:がん・統計白書−罹患・死亡・予後.篠原出版,p159-170, p185-191, 1999.[Ⅳ]

6) Japan Society for Head and Neck Cancer Registry Committee: Report of head and neck cancer registry of Japan. Clinical statistics of registered patients, 2002. Jpn J Head and Neck Cancer 32(supplement): 15-34, 2006.[Ⅳ]

7) 吉野邦俊:頭頸部癌は増えているか−頭頸部癌の疫学.耳鼻咽喉科・頭頸部外科76: 345-350, 2004.[Ⅳ]

8) Krolls, S.O., Hoffman, S.: Squamous cell carcinoma of the oral soft tissues: a statistical analysis of 14,253 cases by age, sex, and race of patients. JADA 92: 571-574, 1976.[Ⅳ]

9) Blot, W.J., McLaughlin, J.K., et al.: Smoking and drinking in relation to oral and pharyngeal cancer. Cancer Res 48: 3282-3287, 1988.[Ⅴ]

10) Gupta, P.C., Mehta, F.S., et al.: Incidence rates of oral cancer and natural history of oral precancerous lesions in a 10-year follow-up study of Indian villagers. Community Dent Oral Epidemiol 8: 283-333, 1980.[Ⅴ]

11) Petti, S., Scully, C.: Oral cancer: the association between nation-based alcohol-drinking profiles and oral cancer mortality. Oral Oncol 41: 828-834, 2005.[Ⅳ]

12) Sankaranarayanan, R., Ramadas, K., et al.: Effect of screening on oral cancer mortality in Kerala, India: a cluster-randomised controlled trial. Lancet 365: 1927-1933, 2005.[Ⅳ]

13) Khanna, J.N., Andrade, N.N.: Oral submucous fibrosis: a new concept in management, Report of 100 cases. Int J Oral Maxillofac Surg 24: 433-439, 1995.

14) Tanaka, S. and Sobue,T.: Comparison of oral and pharyngeal cancer mortality in five countries: France, Italy, Japan, UK and USA from the WHO Mortality Database(1960-2000). Jpn J Clin Oncol 35: 488-491, 2005.[Ⅳ]

15) 有吉靖則,島原政司,他:2002 年度(社)日本口腔外科学会指定研修機関を受診した顎口腔外科領域の悪性腫瘍に関する疫学的研究.日口外誌 52: 401-410, 2006.[Ⅳ](追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1987-2007

②検索日:2007/5/25

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL)AND(PT =会議録除く))AND((発生率/TH OR 罹患率/AL))

④検索件数:32 件,除外件数:28 件,追加件数:4 件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/9/15

③検索式:oral cancer AND epidemiology AND prevalence AND squamous cell carcinoma AND incidence rate items

④検索件数:621 件,除外件数:614 件,追加件数:1 件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/11/10

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL)AND(PT =会議録除く))AND((発生率/TH OR 罹患率/AL))

④検索件数:31 件,除外件数:31 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/12/17

③検索式:oral cancer AND epidemiology AND prevalence AND squamous cell carcinoma AND incidence rate

④検索件数:78 件,除外件数:78 件,追加件数:0 件


CQ 2-2  
わが国における口腔癌の好発部位はどこか?

わが国における口腔癌の好発部位は舌である。

【背 景】

口腔癌の好発部位は人種や習慣によって異なる。そこで,わが国における口腔癌の部位別発生頻度を検証した。

【解 説】

口腔癌の部位別発生頻度は民族,国,地域,生活様式ならびに習慣により異なる。2002 年の日本頭頸部癌学会の集計では,わが国における口腔癌の部位別発生割合は,舌60.0%,頬粘膜9.3%,口底9.7%,上顎歯肉6.0%,下顎歯肉11.7%,硬口蓋3.1%と報告されている1)[Ⅳ]。その他の報告においても,わが国における口腔癌の部位別頻度が最も高いのは舌である2)〜6)8)[Ⅳ]。米国では,舌35.2%,口底28.0%,上・下顎歯肉10.4%,硬口蓋8.9%,頬粘膜2.9%と報告されている7)[Ⅳ]

【参考文献】

1) Report of head and neck cancer registry of Japan, Clinical statistics of registered patients, 2002. Oral cavity. Jpn J Head and Neck Cancer 32: 15-34, 2006.[Ⅳ]

2) 内田安信:口腔癌に関する口腔外科全国統計による疫学的研究− 1986 年度1,508 症例について.歯医学誌7: 16-26, 1988.[Ⅳ]

3) 頭頸部小委員会編:頭頸部TNM 分類研究資料(1990 年度症例のTNM 分類および一次治療の動向).日本TNM 分類委員会,p19-37,1993.

4) 野々村直文,川名正博,他:新潟県における頭頸部悪性腫瘍の現況.新潟医学112: 53-62, 1998.[Ⅳ]

5) 津熊秀明,井岡亜希子,他:頭頸部癌の疫学と一次・二次予防;禁煙・節酒宣言に向けて,わが国におけるがん罹患動向と頭頸部がん,大阪府がん登録より.頭頸部癌32: 292-299, 2006.[Ⅳ]

6) 宮原 裕,北村溥之,他:奈良県施設における頭頸部悪性腫瘍の統計的観察.癌の臨床47: 333-339,2001.[Ⅳ]

7) Krolls, S.O., Hoffman, S.: Squamous cell carcinoma of the oral soft tissues: a statistical analysis of 14,253 cases by age, sex, and race of patients. JADA 92: 571-574, 1976.[Ⅳ]

8) 有吉靖則,島原政司,他:2002 年度(社)日本口腔外科学会指定研修機関を受診した顎口腔外科領域の悪性腫瘍に関する疫学的研究.日口外誌 52: 401-410, 2006.[Ⅳ](追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1987-2007

②検索日:2007/5/25

③検索式:((口腔腫瘍 /TH OR口腔癌 /AL)AND(PT=会議録除く))AND(好発部位/AL)

④検索件数:16件,除外件数:11件,追加件数:3件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/9/15

③検索式:oral cancer AND prevalence AND primary site

④検索件数:185件,除外件数:183件,追加件数:1件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/11/10

③ 検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL)AND(PT =会議録除く))AND(好発部位/AL)

④検索件数:6 件,除外件数:6 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/11/10

③検索式:oral cancer AND prevalence AND primary site

④検索件数:91 件,除外件数:91 件,追加件数:0 件


CQ 2-3  
口腔癌の危険因子は何か?

口腔癌の主な危険因子としては喫煙と飲酒が挙げられている。

【背 景】

口腔癌の危険因子として,喫煙,飲酒,慢性の機械的・化学的刺激,ウイルス感染などが挙げられているが,ここではこれらの危険因子について検証した。

【解 説】

口腔癌の危険因子としては,喫煙,飲酒,慢性の機械的刺激,食事などの化学的刺激,炎症による口腔粘膜の障害,ウイルス感染,加齢などが挙げられているが,疫学的あるいは科学的根拠のあるものは少ない1)2)[Ⅴ]。発癌には複数の発癌因子が作用して,多段階的に癌に移行すると考えられ,口腔癌も外的慢性刺激により遺伝子異常が生じ,これらが蓄積して初めて生じるものと考えられている3)4)[Ⅴ]

喫煙は口腔癌における最大の危険因子と考えられている5)6)[Ⅳ]。南アジア諸国では全癌の約30%を口腔癌が占めているが,これは檳榔子(ビンロウジ)などの噛みタバコの習慣によるものが大きいとされている7)8)[Ⅳ]。喫煙と癌については多くの研究が行われ,タバコの煙に含まれる約4,000 種類の化学物質の中に発癌のイニシエーターおよびプロモーターとなる物質が存在することが明らかとなっている。最近では,CYP1A1GSTM1 など発癌物質の活性化や解毒にかかわる酵素についてそれぞれ遺伝子多型(SNP)を認めることから,喫煙に対する発癌リスクは個々人で異なると考えられている9)10)[Ⅳ]

飲酒も口腔癌の危険因子である。アルコールそのものには発癌性はないが,間接的に発癌に関与するとされ,また,アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドに発癌性があると報告されている11)[Ⅳ]。口腔内にも生じたアセトアルデヒドが蓄積することにより発癌するとの報告もある12)[Ⅳ]。アセトアルデヒド分解酵素2 遺伝子(ALDH2)に遺伝子多型(SNP)が認められることから,飲酒による発癌リスクにも個人差があるとの報告もある13)[Ⅴ]。米国では歯科医師により過度の飲酒を避けることが指導されている14)[Ⅴ]。また,洗口液に含まれるアルコールが口腔癌の発癌リスクを高めることも報告されている15)[Ⅴ]。飲酒と喫煙は口腔癌の発生に相乗的に作用し,アルコールはタバコ中に含まれる発癌物質の溶媒として作用すると考えられている。

慢性の機械的刺激として傾斜歯,齲歯,不良充填物,不適合義歯などが挙げられる。これらがDNA 修復能に異常をもたらし発癌するとされているが,不適合義歯そのものは口腔癌の直接的な原因にはならないとする意見もある16)[Ⅴ]

炎症性サイトカインは炎症性細胞の浸潤によりDNA 損傷や細胞増殖因子を供給することで,発癌,腫瘍の増大や浸潤に関与する17)[Ⅳ]。口腔では歯肉炎が,他因子と複雑に絡み合いながら発癌にかかわっている可能性がある。

ウイルス感染,特にヒトパピローマウイルス(HPV)が中咽頭癌と同様に口腔癌の発癌にも関与すると報告され,口腔癌では正常口腔粘膜より4.7 倍高率に検出されたと報告されている18)[Ⅰ]

【参考文献】

1) 佐藤武男: 癌のHigh-risk Group − 頭頸部がん.癌と化学療法14:2626-2631, 1987.[Ⅴ]

2) 佐藤武男:発癌の要因と疫学,21 世紀耳鼻咽喉科領域の臨床,17,Client 21,頭頸部腫瘍(野村恭也,他編),中山書店,p17-29,2000.[Ⅴ]

3) 宮原 裕,北村溥之,他:奈良県施設における頭頸部悪性腫瘍の統計的観察.癌の臨床47: 333-339, 2001.[Ⅴ]

4) Suzuki, T., Wakai, K., et al.: Effect of dietary antioxidants and risk of oral, pharyngeal and laryngeal squamous cell carcinoma according to smoking and drinking habits. Cancer Sci 97: 760-767, 2006.[Ⅴ]

5) Kim, H.Y., Elter, J.R., et al.: Prevention and early detection of oral and pharyngeal cancer in veterans. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 102: 625-631, 2006.[Ⅳ]

6) Gajendra, S., Cruz, G.D., et al.: Oral cancer prevention and early detection: knowledge, practices, and opinions of oral health care providers in New York State. J Cancer Educ 21: 157-162, 2006.[Ⅴ]

7) 川口浩司,佐藤淳一,他:スリランカの農村部における口腔がん検診,予防指導の長期経過報告−口腔がんとビンロウ噛みの習癖の関係.国際保健医療17: 16-21, 2003.[Ⅳ]

8) Khanna, J.N., Andrade, N.N.: Oral submucous fibrosis: a new concept in surgical management, Report of 100 case. Int J Oral Maxillofac Surg 24: 433-439, 1995.[Ⅳ]

9) Katoh, T., Kaneko, S., et al.: Genetic polymorphisms of tobacco- and alcohol-related metabolizing enzymes and oral cavity cancer. Int J Cancer 83: 606-609, 1999.[Ⅳ]

10) Tanimoto, K., Hayashi, S., et al.: Polymorphisms of the CYP1A1 and GSTM1 gene involved in oral squamous cell carcinoma in association with a cigarette dose. Oral Oncol 35: 191-196, 1999.[Ⅴ]

11) International Agency for Research on Cancer: Alcohol drinking. IARC monographs on the evaluation of the carcinogenic risks to humans 44, IARC, Lyon, p153-177, 1988.[Ⅳ]

12) Homann, N., Jousimies-Somer, H.J., et al.: High acetaldehyde levels in saliva after ethanol consumption: methodological aspects and pathogenetic implications. Carcinogenesis 18: 1739-1743, 1997.[Ⅳ]

13) Nomura, T., Noma, H., etal.: Aldehyde dehydrogenase 2 and glutathione S-transferase M1 polymorphisms in relation to the risk for oral cancer in Japanese drinkers. Oral Oncol 36: 42-46, 2000.[Ⅴ]

14) Petti, S. Scully, C.: The role of the dental team in preventing and diagnosing cancer: 5. Alcohol and the role of the dentist in alcohol cessation. Dent Update 32: 454-455, 458-460, 462, 2005.[Ⅴ]

15) Winn, D.M., Blot, W.J., et al.: Mouthwash use and oral conditions in the risk of oral and pharyngeal cancer. Cancer Res 51: 3044-3047, 1991.[Ⅴ]

16) Campbell, B.H., Mark, D.H., et al.: The role of dental prostheses in alveolar ridge squamous carcinomas. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 123: 1112-1115, 1997.[Ⅴ]

17) 柴原孝彦,野間弘康,他:歯肉癌によって引き起こされる下顎骨浸潤−特に破骨細胞誘導サイトカインの役割.日口外誌49: 171-178, 2003.[Ⅳ]

18) Miller, C.S., Johnstone, B.M.: Human papillomavirus as a risk factor for oral squamous cell carcinoma: a meta-analysis, 1982-1997. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 91: 622-635, 2001.[Ⅰ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1987-2007

②検索日:2007/5/25

③検索式:((口腔腫瘍 /TH OR口腔癌 /AL)AND(PT=会議録除く))AND((危険因子 /TH OR危険因子/AL))

④検索件数:33件,除外件数:29件,追加件数:2件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/9/15

③検索式:Pub Med Save Query: oral cancer AND risk factor AND etiology AND epidemiology

④検索件数:615件,除外件数:602件,追加件数:1件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/11/10

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL)AND(PT =会議録除く))AND((危険因子/TH OR 危険因子/AL))

④検索件数:23 件,除外件数:23 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/12/17

③検索式:Pub Med Save Query: oral cancer AND risk factor AND etiology AND epidemiology

④検索件数:24 件,除外件数:24 件,追加件数:0 件


CQ 2-4  
口腔癌の前癌病変である白板症の癌化率はどのくらいか?

口腔白板症の癌化率は,海外では0.13〜17.5%であり,わが国では3.1〜16.3%である。

【背 景】

口腔白板症の中には悪性化するものがあることや,白板症と診断されるものの中に既に癌化しているものがあることから,白板症は口腔癌の代表的な前癌病変とされている。ここでは口腔白板症の癌化率を検証する。

【解 説】

前癌病変とは正常なものに比べて明らかに癌が発生しやすい形態的な変化を伴う組織とされ,臨床的には白板症,紅板症が挙げられ,病理組織学的には上皮性異形成がある。

口腔白板症は口腔粘膜の角化亢進によって生じる白斑状の病変であり,“他のいかなる疾患としても特徴づけられない著明な白色の口腔粘膜の病変”とされている1)。病理組織学的には上皮の過角化(過正角化症・棘細胞症あるいは過錯角化症)から,上皮性異形成を伴うもの,さらには上皮内癌,浸潤癌も含まれる2)[Ⅳ]。しかし上皮内癌や浸潤癌と診断される病変は白板症には含めない。

白板症の定義が明確でないこと以外にも,人種,喫煙などの生活習慣,治療,観察(病悩)期間などにより口腔白板症の癌化率は異なるが,海外では0.13〜17.5%3)4)[Ⅳ],わが国では3.1〜16.3%と報告されている5)6)[Ⅳ]。観察期間が長期になるにしたがい癌化率は高くなり,5 年累積癌化率は1.2〜14.5%,10 年累積癌化率は2.4〜29.0%と報告されている7)[Ⅳ]。癌化には性,年齢,臨床型,部位,発症様式,上皮性異形成の有無が影響する。女性の白板症は癌化しやすく,また,50 歳以上では癌化しやすい。疣贅型,結節型,潰瘍型および紅斑混在型のいわゆる非均一型白板症や,可動粘膜,特に舌,頬粘膜,口底に発生するもの,多中心性あるいは多発性のもの,および病理組織学的に上皮性異形成を有する病変が癌化をきたしやすいと考えられている8)9)[Ⅳ]。また,上皮性異形成が高いほど癌化までの期間は短いとされている7)[Ⅳ]

【参考文献】

1) Pindborg, J.J., Reichart, P.A., et al.: Histological Typing of Cancer and Precancer of the Oral Mucosa. 2nd Ed. Springer-Verlag, Berlin, 1997.

2) Waldron, C.A., Shafer, W.G.: Leukoplakia revisited. A clinicopathologic study 3256 oral leukoplakias. Cancer 36: 1386-1392, 1975.[Ⅳ](追加論文)

3) Silverman, S., Bhargava, K., et al.: Malignant transformation and natural history of oral leukoplakia in 57,518 industrial workers of Gujarat, India. Cancer 38: 1790-1795, 1976.[Ⅳ](追加論文)

4) Silverman, S. Jr., Gorsky, M., et al.: Oral leukoplakia and malignant transformation. A follow-up study of 257 patients. Cancer 53: 563-568, 1984.[Ⅳ](追加論文)

5) 鷲津邦雄,小野 勇,他:口腔の前がん状態の臨床.癌の臨床27: 942-947,1981.[Ⅳ](追加論文)

6) 黒川英雄,山崎健太郎,他:口腔白板症の臨床病理学的検討.口科誌47: 61-67, 1998.[Ⅳ]

7) Amagasa, T., Yamashiro, M., et al.: Oral leukoplakia related to malignant transformation. Oral Science International 3: 45-55, 2006.[Ⅳ]

8) 鷲津邦雄:舌がんの早期診断と治療基準の確立に関する研究.昭和55 年度厚生省がん研究助成金による研究報告集,国立がんセンター,p462-470, 1981.[Ⅳ](追加論文)

9) 太田和俊,勝本 愛,他:口腔白板症の臨床病理学的検討.日口外誌49: 439-445, 2003.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1997-2007

②検索日:2007/8/6

③検索式: (白板症 /TH OR 白板症 /AL)AND(PT=症例報告除く,会議録除く,SB=歯学)

④検索件数:91件,除外件数:82件,追加件数:5件

(2)PubMed

①検索期間:1997-2007

②検索日:2007/6/18

③検索式:oral cancer AND leukoplakia

④検索件数:814件,除外件数:806件,追加件数:4件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:1998-2011

②検索日:2011/11/10

③検索式:(白板症/TH OR 白板症/AL)AND(PT=症例報告除く,会議録除く,SB =歯学)

④検索件数:58 件,除外件数:58 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/12/17

③検索式:oral cancer AND leukoplakia

④検索件数:90 件,除外件数:90 件,追加件数:0 件


CQ 2-5  
重複癌の好発部位と発生頻度は?

口腔癌と重複する癌としては,上部消化管癌や肺癌が多く,重複癌の発生頻度は11.0〜16.2%とされている。

【背 景】

近年,口腔の多発癌や重複癌は増加しつつある。その原因としては,患者の高齢化,口腔癌治癒率の向上,食生活や環境因子での多種の発癌物質への曝露などが挙げられている。口腔癌を含む頭頸部癌患者の重複癌の好発部位と発生頻度を検証する。

【解 説】

複数発生した癌を多重癌あるいは多中心性癌と呼ぶ。また同一臓器に複数の癌が発生したものを多発癌,異なった臓器にできたものを重複癌と呼び,これらは発生時期により同時性あるいは異時性とに分けられる1)〜3)[Ⅳ]

口腔癌と重複する癌としては,上部消化管癌や肺癌が多く,重複癌の発生頻度は11.0〜16.2%とされている4)[Ⅳ]

口腔癌を含め,頭頸部癌患者における重複癌の特徴として,最近20 年間に発生頻度が急激に増加している,近隣領域に第2 癌が発生することが多い,頭頸部癌の治療後に第2 癌が発生することが多い,重複癌の60〜70%は上部消化管または肺に発生することが挙げられる5)[Ⅳ]

上部消化管癌と重複することが多いことの説明として,口腔,咽頭,食道,胃は,同一の発癌環境にあるとされ,field cancerization の概念が挙げられる6)[Ⅳ]。また,口腔癌の重複癌の背景因子には,性,生活習慣,過度の喫煙と飲酒などが挙げられる7)〜10)[Ⅳ]

口腔白板症などの前癌病変の合併11)12)[Ⅴ]や重複癌の存在は,口腔癌の治療法選択や治療成績に影響を与える13)14)[Ⅴ]。したがって治療前のみならず治療後にも,上部消化管や肺などの検査が必要である15)〜17)[Ⅳ]

【参考文献】

1) Warren, S., Gates, O.: Multiple primary malignant tumors, a sugery of the literature and a statistical study. Am J Cancer 16: 1358-1414, 1932.[Ⅳ]

2) Moertel, C.G., Dockerty, M.B., et al.: Multiple primary malignant neoplasms. I. Introduction and presentation of data. Cancer 14: 221-230, 1961.[Ⅳ]

3) 田中 彰,土川幸三,他:顎口腔領域における重複癌症例の臨床的検討.頭頸部腫瘍20: 57-62, 1994.[Ⅴ]

4) 宮原 裕:頭頸部腫瘍学入門.東京医学社,p61-68, 2004.[Ⅳ]

5) 堀内正敏:頭頸部癌症例における重複癌,新図説耳鼻咽喉科・頭頸部外科講座,第5 巻,頭頸部腫瘍,メジカルビュー社,p8-9,2001.[Ⅳ]

6) Thomson, P.J.: Field change and oral cancer: new evidence for widespread carcinogenesis? Int J Oral Maxillofac Surg 31: 262-266, 2002.[Ⅳ]

7) 川上美夕喜,池村邦男:口腔の扁平上皮癌患者における多重癌-5 年生存率への影響.口科誌53: 9-13, 2004.[Ⅴ]

8) 中溝宗長,鎌田信悦,他:頭頸部癌における重複癌と喫煙飲酒歴−人年法による解析.日耳鼻会報96: 1501-1509, 1993.[Ⅳ]

9) 山家 誠,藤内 祝,他:口腔癌の症例対照研究(第1 報)-喫煙・飲酒・食習慣との関連.日口外誌42: 42-50, 1996.[Ⅴ]

10) Blot, W.J., McLaughlin, J.K., et al.: Smoking and drinking in relation to oral and pharyngeal cancer. Cancer Res 48: 3282-3287, 1988.[Ⅴ]

11) Shibuya, H., Amagasa, T., et al.: Leukoplakiaassociated multiple carcinomas in patients with tongue carcinoma. Cancer 57: 843-846, 1986.[Ⅴ]

12) Silverman, S. Jr., Gorsky, M., et al.: Oral leukoplakia and malignant transformation. A follow-up study of 257 patients. Cancer 53: 563-568, 1984.[Ⅴ]

13) 川辺良一,大村 進,他:口腔多発癌の背景因子に関する検討.日口外誌45: 421-426,1999.[Ⅳ]

14) Shibuya, H., Hisamitsu, S., et al.: Multiple primary cancer risk in patients with squamous cell carcinoma of the oral cavity. Cancer 60: 3083-3086, 1987.[Ⅴ]

15) Saikawa, M., Ebihara, S., et al.: Multiple primary cancers in patients with squamous cell carcinoma of the oral cavity. Jpn J Cancer Res 82: 40-45, 1991.[Ⅴ]

16) 山本哲也,片山慶馬,他:口腔癌患者における異所性重複癌の検討−特に他臓器癌に対するスクリーニング検査の重要性について.口科誌53: 161-166, 2004.[Ⅴ]

17) McGuirt, W.F.: Panendoscopy as a screening examination for simultaneous primary tumors in head and neck cancer: a prospective sequential study and review of the literature. Laryngoscope 92: 569-576, 1982.[Ⅴ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1987-2007

②検索日:2007/5/25

③検索式: ((腫瘍 /多発性原発 /TH OR重複癌 /AL) AND(PT=会議録除く))AND((口腔腫瘍 /TH OR口腔癌/AL))

④検索件数:54件,除外件数:48件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/5/25

③検索式:oral cancer AND double cancer

④検索件数:331件,除外件数:223件,追加件数:5件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/11/10

③検索式:(( 腫瘍/ 多発性原発/TH OR 重複癌/AL)AND(PT =会議録除く))AND((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL))

④検索件数:46 件,除外件数:46 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/12/17

③検索式:oral cancer AND double cancer

④検索件数:22 件,除外件数:22 件,追加件数:0 件


第3章 診 断

Ⅰ.臨床診断

口腔癌の治療にあたって,最初に行わねばならないのは問診,視診,触診などの診査である。これら診査を通して腫瘍の進行状態をある程度把握し,次にどのような画像検査,組織検査を行うか検討する。

腫瘍の進行状態を規定する臨床的因子は,腫瘍の大きさ(T),頸部リンパ節転移(N),遠隔転移(M)である。これらは治療法の選択に際して重要な因子となり,また患者の予後に多大な影響を及ぼす因子である1)〜3)74)〜78)。判定にあたってはUICC のTNM 分類(表3-1)や病期分類(表3-2),口腔癌取扱い規約が一般的に採用されている。しかし,下顎歯肉癌ではT4a の基準が曖昧であることが指摘されている。わが国では,下顎歯肉癌のT4a の診断基準について詳細な検討が行われ6),下顎管を基準とした分類が最も妥当であると結論づけられ,口腔外科では広く用いられている。

原発巣に関しては,(1)発生部位,(2)臨床発育様式,(3)腫瘍の厚み,(4)周囲組織への進展程度などが,原発巣再発や頸部リンパ節転移,遠隔転移と関連することが指摘されていることから5)〜24),これらの因子についても注意深く診査して,治療法を選択すべきである。(1)発生部位と転移との関連性としては,舌癌,口底癌,頬粘膜癌では頸部リンパ節への転移が他部位と比べて高いので注意を要する6)25)26)。(2)臨床発育様式2)3)5)27)〜37)CQ3-1)については,舌,口底,頬粘膜などに発生したものでは発育様式と頸部リンパ節転移や遠隔転移との関連性が認められる(CQ3-2)。上顎歯肉癌,硬口蓋癌でも関連性がみられるとの報告もあるが,上・下顎歯肉や硬口蓋に発生したものでは関連性は低いとの報告が多くなされている2)5)21)26)31)〜34)38)〜41)。この点も正確に評価し治療法の選択にあたって考慮すべきである。さらに,舌癌では発育様式の内向型,表在型では原発巣再発率が外向型に比べて高く,治療法選択に際し注意を要する13)〜23)CQ3-3)。(3)腫瘍の厚みについては,舌癌では4〜5 mm 以上では頸部リンパ節への転移傾向が強くなると報告されている21)32)39)41)〜50)。触診による硬結範囲の判定が重要となるが15)52),深部への浸潤の判定に際しては,さらに超音波検査などによる精査が望まれる。(4)周囲組織への進展程度については,舌癌で口底部に進展しているもの31)や頬粘膜癌で臼後部に発生したもの52)は,頸部リンパ節転移率が高いと指摘されているので,診査にあたって注意を要する。

頸部リンパ節転移の診断にあたって,触診は有用な診査法であり2)41)53)〜62)CQ3-4),第一に行うべきである。頸部リンパ節転移については,転移レベルが進行するほど,転移個数が増えるほど,周囲組織との癒着が認められるほど,頸部再発の頻度や遠隔臓器への転移傾向が強くなるとの報告がある12)41)52)63)〜67)。初診時の触診による慎重な診査が大切であるが,確定診断にあたっては触診に加えて,さらに画像検査が必要である。

さまざまな臨床症状(神経麻痺,疼痛,構音障害,嚥下障害,開口障害,体重減少など)が,腫瘍の病態や進行状態と関連しているとの報告もある。具体的には,下顎歯肉癌でのオトガイ神経麻痺が癌の進行程度と関連するとの報告,舌癌での構音障害や嚥下障害,また頬粘膜癌での開口障害が癌の浸潤程度と関連していると報告されている68)〜73)。さらに,口腔癌で治療前に自発痛を訴えた症例は予後が悪いとの報告もある79)80)。臨床発育様式と疼痛との関連性について,内向型で有意に自発痛が発現する頻度が高いという報告もある79)80)

【参考文献はガイドライン誌『科学的根拠に基づく 口腔癌診療ガイドライン2013 年版』
(金原出版刊行物)添付CD-ROMに収録】

表3-1 TNM分類

【T:原発腫瘍】

  1. TX :原発腫瘍の評価が不可能
  2. T0 :原発腫瘍を認めない
  3. Tis :上皮内癌
  4. T1 :最大径が2 cm 以下の腫瘍
  5. T2 :最大径が2 cm を超えるが4 cm 以下の腫瘍
  6. T3 :最大径が4 cm を超える腫瘍
  7. T4a:骨髄質,舌深層の筋肉(外舌筋),上顎洞,顔面の皮膚に浸潤した腫瘍
  8. T4b:咀嚼筋間隙,翼状突起または頭蓋底に浸潤した腫瘍,または内頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍

【N:所属リンパ節】

  1. NX :所属リンパ節転移の評価が不可能
  2. N0 :所属リンパ節転移なし
  3. N1 :同側の単発性リンパ転移で最大径が 3 cm以下
  4. N2a :同側の単発性リンパ節転移で最大径が 3 cmを超えるが 6 cm以下
  5. N2b :同側の多発性リンパ節転移で最大径が 6 cm以下
  6. N2c :両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が 6 cm以下
  7. N3 :最大径が 6 cmを超えるリンパ節転移

【M:遠隔転移】

  1. MX :遠隔転移の評価が不可能
  2. M0 :遠隔転移なし
  3. M1 :遠隔転移あり

注:下顎歯肉癌については,T4a は下顎管分類を採用する。

表3-2 病期分類(Stage)
  N0 N1 N2 N3 M1
Tis 0        
T1 ⅣA ⅣB ⅣC
T2 ⅣA ⅣB ⅣC
T3 ⅣA ⅣB ⅣC
T4a ⅣA ⅣA ⅣA ⅣB ⅣC
T4b ⅣB ⅣB ⅣB ⅣB ⅣC

CQ 3-1  
口腔癌の臨床型分類はどのようなものが有用か?
推奨グレードB

口腔癌の臨床型分類としては,表在型,外向型,内向型の3 型に分類する臨床発育様式分類が,簡便で臨床病態をよく反映している有用な分類と考えられる。判定にあたっては,下記の判定基準が平易で客観的な指標と考えられる。
表在型:表在性の発育を主とし,上・下顎歯肉,硬口蓋においては骨の吸収を認めないもの
外向型:外向性の発育を主とするもの
内向型:深部への発育を主とするもの

【背 景】

口腔癌の肉眼所見として,以前より多くの臨床視診型が提唱され,視診だけではなく触診所見も加えた腫瘍の発育状態に着目した臨床型分類も報告されている。しかし,これらの多くは分類が複雑で,判定にあたって診断医による差異が生じやすい。そこで,臨床型分類について客観性や有用性を検証した。

【解 説】

口腔癌の肉眼所見としてこれまでに多くの分類が提唱されており,基本的には発育形態から外向性発育をみせる隆起性腫瘍と内向性発育をみせる浸潤性腫瘍に大別され,さらに腫瘍表層の特徴からいくつかに細分されている1)〜5)[Ⅳ]。腫瘍表層の特徴としては,鷲津の分類5)では外向性腫瘍を白斑型,乳頭型,肉芽型に,内向性腫瘍をびらん型,潰瘍型,腫瘤硬結型に分類している[Ⅳ]。しかし,発育形態と表層の性状の2 面から分類されているため,客観的な判定が難しく判定に迷う症例も多く,報告者間で発現頻度にはかなりの差異がみられる1)〜5)

しかし,これらの報告の発育様式(内向型,外向型)に注目すると,発育様式のみでも臨床病態を反映していることがうかがえる1)〜10)16)〜18)[Ⅳ]。日本口腔腫瘍学会は,臨床病態の診断をより客観性があり簡便なものとするために,表層の特徴にとらわれない舌癌の臨床型分類(上記)を提唱し,本分類が初期舌癌(T1,T2)の原発巣・頸部再発,頸部リンパ節転移(一次転移,後発転移),遠隔転移,生存率の予測因子となり得ることを示唆した11)16)[Ⅳ]。また,臨床発育様式分類を用いた他の報告でも,同様の結果が認められている12)13)16)〜18)[Ⅳ]。舌癌以外の頬粘膜癌や口底癌に対しても,臨床型分類が有用であることが報告されている。一方,下顎歯肉癌,上顎歯肉癌,硬口蓋癌については,内向型は外向型に比べて転移率が高いとする報告14)もあるが,臨床型分類は有用ではないとの報告15)もあり,臨床型分類の意義は定かでない[Ⅳ]。発生部位による特性もあることから,今後さらに多数例での検証が必要である。

【参考文献】

1) 上野 正:口腔癌の治療に関する研究.口病誌36:4-19,1969.[Ⅳ](追加論文)

2) 山下久雄,網野三郎,他:舌癌の放射線治療.癌の臨床 7:195-204,1961.[Ⅳ](追加論文)

3) 戸塚盛雄:口腔領域悪性腫瘍新鮮症例の臨床,組織および細胞学的研究─ 特にその臨床視診型,TNM 分類と組織学的所見について.口病誌 38:94-125,1971.[Ⅳ](追加文献)

4) 大部大明:口腔扁平上皮癌の臨床的研究─治療後の経過を中心として. 日口外誌 19:406-434,1973.[Ⅳ](追加論文)

5) 鷲津邦雄,鈴木邦夫:口腔粘膜がんの早期診断について─とくに臨床像を中心として.日本歯科評論 372:13-22,1973.[Ⅳ](追加論文)

6) 宮崎晃亘, 野口 誠, 他: 早期舌癌に対するexcisional biopsy の適応と治療成績. 口腔腫瘍13:267-270,2001.[Ⅳ]

7) 木下靱彦,井上 聡,他:多変量解析による舌癌頸部リンパ節転移の予測─多施設共同研究.日口外誌43:1-7,1997.[Ⅳ](追加論文)

8) Asakage, T., Yokose, T., et al.: Tumor thickness predicts cervical metastasis in patients with stage Ⅰ/Ⅱ carcinoma of the tongue. Cancer 82: 1443-1448, 1998.[Ⅳ]

9) 丸岡靖史,安藤智博,他:舌癌N0 症例の臨床的検討.頭頸部腫瘍29:51-57,2003.[Ⅳ]

10) 長谷川光晴,岡上真裕,他:口腔粘膜扁平上皮癌手術症例の臨床視診型分類の意義について─日本大学歯学部口腔外科学教室における132 症例の検討.日大歯学 79:183-187,2005.[Ⅳ]

11) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.(追加論文)[Ⅳ]

12) 姉川絵美子,古賀 真,他:臨床発育様式からみたT1,T2 舌扁平上皮癌の悪性度評価に関する臨床病理学的検討.口腔腫瘍18:83-89,2006.[Ⅳ]

13) 狩野岳史,砂川 元:舌扁平上皮癌の臨床病理学的所見と口腔内超音波所見との関連について.頭頸部癌 31:8-14,2005.[Ⅳ]

14) 堀越 勝,草間幹夫,他:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的研究(1)原発巣の臨床的観察.日口外誌 35:455-461,1989.[Ⅳ](追加論文)

15) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:下顎歯肉癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍19:37-124,2007.(追加論文)

16) 日本口腔腫瘍学会編:口腔癌取扱い規約 2010 年度版,金原出版,2010.(追加論文)

17) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:頬粘膜癌・口底癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍20:25-117,2008.(追加論文)

18) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:上顎歯肉癌・硬口蓋癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1版).口腔腫瘍21:71-121,2009.(追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式: (口腔腫瘍 OR 口腔癌 OR 口腔扁平上皮癌 OR 舌癌) AND (頸部リンパ節転移 OR 転移 OR リンパ節転移 OR 生存率 OR 5年生存率 OR 治療成績 OR 局所再発率 OR 再発頻度 OR 局所再発 OR 再発) AND (視診型 OR 発育様式 OR 臨床型) AND (症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:15件,除外件数 10件,追加件数:9件

(2)PubMed

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding OR clinical type) AND ((neck [mh] AND lymph node AND metastasis[mh]) OR servival rate OR local recurrence)

④検索件数:50件,除外件数:49件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③ 検索式:(口腔腫瘍 OR 口腔癌 OR 口腔扁平上皮癌 OR 舌癌) AND (頸部リンパ節転移 OR 転移OR リンパ節転移OR 生存率 OR 5 年生存率 OR 治療成績 OR 局所再発率 OR 再発頻度 OR 局所再発OR 再発)AND (視診型 OR 発育様式 OR 臨床型)AND(症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:3 件,除外件数:3 件,追加件数:3 件

(2)PubMed

①検索期間2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式: (oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding OR clinical type) AND((neck[mh] AND lymph node AND metastasis[mh]) OR servival rate OR local recurrence)

④検索件数:47 件,除外件数:47 件,追加件数:0 件


CQ 3-2  
内向型の舌癌は表在型や外向型に比べて頸部リンパ節転移率は高いか?
推奨グレードB

舌癌(T1,T2)において,臨床型分類の表在型や外向型は頸部リンパ節転移率が低い。一方,内向型では頸部リンパ節への転移率は前二者に比べて高く,治療に際しては注意を要する。

【背 景】

舌癌において,予後に影響する最も重要な因子の1 つは,頸部リンパ節転移の有無である。したがって,頸部リンパ節転移の可能性を治療前に予測することは,治療法の選択に重要である。そこで,臨床型分類と頸部リンパ節転移の関連性について検証した。

【解 説】

舌癌T1,T2 症例に関する多施設共同研究では,一次転移率は表在型4.9%,外向型12.6%,内向型24.9%で,内向型は表在型や外向型に比べて有意に頸部リンパ節転移率が高いことが示されている。また,後発転移率も表在型12.5%,外向型15.9%,内向型27.6%で,内向型は表在型や外向型に比べて頸部リンパ節転移率は高く,統計学的に有意差が認められている1)15)〜18)[Ⅳ]。舌癌の頸部リンパ節転移についての多施設共同研究2)でも,臨床視診型の外向型の転移率は18.1%,膨隆型や潰瘍型(内向型)は50.5%で,外向型は内向型と比べて頸部リンパ節への転移率は低い[Ⅳ]。その他の報告でも表在型,外向型は7〜20%で,内向型50〜60%に比べて頸部リンパ節転移率は低い3)〜11)[Ⅳ]。さらに,小浜ら12)は,内向型では組織学的腫瘍浸潤様式の4C 型や4D 型が多く,頸部リンパ節転移の治療には注意を要すると報告している[Ⅳ]CQ3-12)。

一方では,臨床型分類と頸部リンパ節転移との間には相関性は認められないとの報告13)14)もある[Ⅳ]。このことは臨床型分類の判定基準が判定者間で必ずしも一致していない可能性があり,今後さらなる検証が必要と考えられる。

舌癌T3, T4 症例では,臨床型分類は適応されない1)3)〜5)[Ⅳ]

なお,口底癌,頬粘膜癌においても,臨床型分類と頸部リンパ節転移や遠隔転移との関連性について舌癌と同様の報告がみられる16)

【参考文献】

1) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.(追加論文)

2) 木下靱彦,井上 聡,他:多変量解析による舌癌頸部リンパ節転移の予測─多施設共同研究.日口外誌 43:1-7,1997.[Ⅳ](追加論文)

3) 姉川絵美子,古賀 真,他:臨床発育様式からみたT1,T2 舌扁平上皮癌の悪性度評価に関する臨床病理学的検討.口腔腫瘍18:83-89,2006.[Ⅳ]

4) Asakage, T., Yokose, T., et al.: Tumor thickness predicts cervical metastasis in patients with stage Ⅰ/Ⅱ carcinoma of the tongue. Cancer 82: 1443-1448, 1998.[Ⅳ]( 追加論文)

5) 丸岡靖史,安藤智博,他:舌癌N0 症例の臨床的検討.頭頸部腫瘍29:51-57,2003.[Ⅳ]

6) 堀越 勝,草間幹夫,他:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的研究(1)原発巣の臨床的観察.日口外誌 35:455-461,1989.[Ⅳ](追加論文)

7) 狩野岳史,砂川 元:舌扁平上皮癌の臨床病理学的所見と口腔内超音波所見との関連について.頭頸部癌 31:8-14,2005.[Ⅳ]

8) 亀卦川昭宗:口腔扁平上皮癌,及びその前癌病変における,p53 癌抑制遺伝子産物の発現に関する研究.口病誌 68:51-59,2001.[Ⅳ](追加論文)

9) Shingaki, S., Saito, R., et al.: Recurrence of carcinoma of the oral cavity, oropharynx and maxillary sinus after radical neck dissection. J Maxillofac Surg 13: 231-235, 1985.[Ⅳ](追加論文)

10) 長谷川光晴,岡上真裕,他:口腔粘膜扁平上皮癌手術症例の臨床視診型分類の意義について─日本大学歯学部口腔外科学教室における132 症例の検討.日大歯学79:183-187,2005.[Ⅳ]

11) 宮崎晃亘, 野口 誠, 他: 早期舌癌に対するexcisional biopsy の適応と治療成績. 口腔腫瘍13:267-270,2001.[Ⅳ](追加論文)

12) 小浜源郁,野口 誠,他:口腔扁平上皮癌の臨床所見と病理組織所見に基づいた外科療法─ 481 例の分析.口腔腫瘍13:33-41,2001.[Ⅳ](追加論文)

13) Po Wing Yuen. A., Lam, K.Y. et al.: Prognostic factors of clinically stage Ⅰ and Ⅱ oral tongue carcinoma -A comparative study of stage, thickness, shape, growth pattern, invasive front malignancy grading, Martinez-Gimeno score, and pathologic features. Head Neck 24: 513-520, 2002.[Ⅳ]

14) Kurokawa, H., Yamashita, Y., et al.: Risk factors for late cervical lymph node metastases in patients with stage Ⅰ or Ⅱ carcinoma of the tongue. Head Neck 24: 731-736, 2002.[Ⅳ](追加論文)

15) 日本口腔腫瘍学会編:口腔癌取扱い規約2010 年度版,金原出版,2010.(追加論文)

16) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:頬粘膜癌・口底癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍20:25-117,2008.(追加論文)

17) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:上顎歯肉癌・硬口蓋癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍21:71-121,2009.(追加論文)

18) Capote-Moreno, A., Naval, L., et al: Prognostic factors influencing contralateral neck lymph node metastases in oral and oropharyngeal carcinoma. J Oral Maxillofac Surg 68: 268-275, 2010.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式:(口腔腫瘍 OR 口腔癌 OR 口腔扁平上皮癌 OR 舌癌) AND (頸部リンパ節転移 OR 転移 OR リンパ節転移 OR 生存率 OR 5 年生存率 OR 治療成績 OR 局所再発率 OR 再発頻度 OR 局所再発 OR 再発) AND (視診型 OR 発育様式 OR 臨床型)AND(症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:15件,除外件数 10件,追加件数:9件

(2)PubMed

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding OR clinical type) AND ((neck[mh] AND lymph node AND metastasis[mh]) OR servival rate OR local recurrence)

④検索件数:50件,除外件数 49件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式:(口腔腫瘍 OR 口腔癌 OR 口腔扁平上皮癌 OR 舌癌) AND (頸部リンパ節転移 OR 転移 OR リンパ節転移)AND (視診型 OR 発育様式 OR臨床型)AND(症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:9 件,除外件数9 件,追加件数:3 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20 

③検索式:((oral OR tongue OR gingiva) AND(squamous cell AND cancer[mh]) AND(clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding OR clinical type) AND ((neck[mh]AND lymph node AND metastasis[mh]) OR servival rate OR local recurrence)

④検索件数:45 件,除外件数:45 件,追加件数:1 件


CQ 3-3  
表在型と内向型の舌癌は,外向型に比べて原発巣再発率が高いか?
推奨グレードB

舌癌(T1,T2)において,臨床型分類の内向型,表在型は外向型と比べて原発巣再発率は高い傾向にある。

【背 景】

舌癌において,予後に影響する重要な因子の1 つは原発巣の制御である。そのため,原発巣の再発の危険性を治療前に予測することは治療法の選択にあたって重要である。そこで,臨床型分類と原発巣再発の関連性について検証した。

【解 説】

口腔癌全体の原発巣再発率は13〜30%1)〜4),また舌癌の原発巣再発率は11〜24%と,報告によりばらつきがみられる5)〜8)[Ⅳ]。原因としては,各報告での原発巣の発生部位の違いや治療法の違いが考えられる。

臨床型分類と原発巣再発について,舌癌T1, T2 症例の多施設共同研究では,内向型20.0%,表在型12.4%,外向型8.8%で,内向型は表在型,外向型に比べて原発巣再発率が高く,統計学的有意差が認められている5)[Ⅳ]。他の報告でも,内向型は他の発育様式と比べて原発巣再発率が高いとされている8)〜11)[Ⅳ]。さらに,腫瘍の厚みが3 mm 未満では原発巣再発は0%,3〜9 mm では7%,10 mm 以上では24%であったとの報告もあり,内向性発育は原発巣再発の危険因子の1 つと考えられる[Ⅳ]

しかし,原発巣再発率は表在型20%,外向型14%,内向型12%で,表在型の再発率が高いとする報告もある6)[Ⅳ]。その原因として,癌周囲の上皮性異形成が表在型では88.2%に,外向型では37.8%に,内向型では38.8%に認められたことから,癌周囲の上皮性異形成と原発巣再発との関連性が指摘されている。また,原発巣再発率は癌周囲に上皮性異形成のない症例では7.6%,上皮性異形成を伴う症例では17.9%と,上皮性異形成を伴う症例で有意に高いとの報告もある12)[Ⅳ]CQ3-14)。

しかし,臨床型(外向性発育,内向性発育)と原発巣再発との相関性はないとする報告もあり4),今後さらなる検証が必要である[Ⅳ]

なお,舌癌以外の口腔癌では,頬粘膜癌,硬口蓋癌では関連性がみられるとする報告もあるが,下顎歯肉癌13),上顎歯肉癌,口底癌では関連性はみられないとする報告がある14)〜16)

【参考文献】

1) 別府 武,三谷弘樹,他:上歯肉,硬口蓋原発扁平上皮癌の原発巣制御に関する臨床的検討.頭頸部癌 31:22-27,2005.[Ⅳ]

2) 小村 健,原田浩之,他:口腔癌局所再発例に対する救済手術.頭頸部腫瘍 29:34-40,2003.[Ⅳ](追加論文)

3) Eckardt, A., Barth, E.L., et al.: Recurrent carcinoma of the head and neck: treatment strategies and survival analysis in a 20-year period. Oral Oncol 40: 427-432, 2004.[Ⅳ](追加論 文)

4) 木戸幸恵,野口 誠,他:Stage Ⅰ,Ⅱ 口腔扁平上皮癌の外科療法と予後因子─ excisional biopsy とpreoperative chemotherapy 症例の対比.口腔腫瘍13:271-276,2001.[Ⅳ](追加論文)

5) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.(追加論文)[Ⅳ]

6) 姉川絵美子,古賀 真,他:臨床発育様式からみたT1,T2 舌扁平上皮癌の悪性度評価に関する臨床病理学的検討.口腔腫瘍18:83-89,2006.[Ⅳ]

7) 松浦一登,林 隆一,他:舌扁平上皮癌一次治療症例(274 例)の手術治療成績.頭頸部癌 30:550-557,2004.[Ⅳ](追加論文)

8) Kirita,T., Okabe, S., et al: Risk factors for the postoperative local recurrence of tongue carcinoma. J Oral Maxillofac Surg 52: 149-154, 1994.[Ⅳ]

9) 黒川英雄,山下善弘,他:Stage Ⅰ,Ⅱ 舌扁平上皮癌における周辺上皮の上皮異形成について.頭頸部癌 32:455-458,2006.[Ⅳ]

10) Po Wing Yuen., A., Lam, K.Y., et al.: Prognostic factors of clinically stage Ⅰ and Ⅱ oral tongue carcinoma-A comparative study of stage, thickness, shape, growth pattern, invasive front malignancy grading, Martinez-Gimeno score, and pathologic features. Head Neck 24: 513-520, 2002.[Ⅳ]

11) Spiro, R.H., Guillamondegui, O.Jr., et al.: Pattern of invasion and margin assessment in patients with oral tongue cancer. Head Neck 21: 408-413, 1999.[Ⅳ]

12) 楠川仁悟,亀山忠光:口腔扁平上皮癌に対するExcisional biopsy の適応と実際. 口腔腫瘍 13:261-265,2001.[Ⅳ](追加論文)

13) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:下顎歯肉癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍19:37-124,2007.(追加論文)

14) 日本口腔腫瘍学会編:口腔癌取扱い規約2010 年度版,金原出版,2010.(追加論文)

15) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:頬粘膜癌・口底癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍20:25-117,2008.(追加論文)

16) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:上顎歯肉癌・硬口蓋癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍21:71-121,2009.(追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式: (口腔腫瘍 OR 口腔癌 OR 口腔扁平上皮癌 OR 舌癌) AND (局所再発率 OR 再発頻度 OR 局所再発 OR 再発) AND (症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:202件,除外件数 197件,追加件数:2件

(2)PubMed

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding) AND (local recurrence)

④検索件数:17件,除外件数 15件 追加件数:2件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式:(舌癌 OR 口腔扁平上皮癌) AND (局所再発率 OR 再発頻度 OR 局所再発 OR 再発)AND(症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:175 件,除外件数:175 件,追加件数:3 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (clinical growth pattern OR growth pattern OR clinical finding) AND (local recurrence)

④検索件数:22 件,除外件数:22 件,追加件数:0 件


CQ 3-4  
触診により頸部リンパ節転移の診断はどの程度可能か?
推奨グレードB

触診による頸部リンパ節転移の診断精度は60〜70%であり,触診は有用である。しかし,頸部リンパ節転移の診断には画像診断を加えた総合的な診断が必要である。

【背 景】

触診は頸部リンパ節転移診断の基本的診査法である。しかし,その診断精度は診断医の熟練度な どにより異なることが予想される。そこで,触診による頸部リンパ節転移の診断精度について検証 した。

【解 説】

通常触知が可能なリンパ節の大きさは,オトガイ下リンパ節や顎下リンパ節など表在性のものでは5 mm,内頸静脈リンパ節など深在性のリンパ節では10 mm が限界とされている1)12)〜15)[Ⅳ]。触診による診断精度については,頸部側単位の検索では感度47〜97%,特異度38〜92%,正診率69〜88%と報告され,報告者間で差異がある2)〜10)[Ⅳ]。また,リンパ節単位では,感度76%,特異度79%,正診率77%と報告されている11)[Ⅳ]

一方,CT では,感度49〜95%,特異度38〜100%,超音波では感度58〜95%,特異度37〜96%と報告され,診断率の高い数値を見る限りにおいては,触診による診断精度は画像診断の精度と大差はない2)[Ⅳ]。しかし,診断精度にばらつきがある16)〜20)[Ⅳ]。このことは診断基準となるリンパ節の硬さや可動性などが主観的因子であり,客観的な診断基準を示すことが困難なことに起因していると考えられる。

触診には豊富な臨床経験を必要とするが,リンパ節の硬さや可動性など他の診断法では得難い診断情報を得ることができる。頸部リンパ節転移の診断には,触診と客観的評価が可能な画像診断とによる総合的な診断が必要である。

【参考文献】

1) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.[Ⅳ]

2) 神田重信,筑井 徹,他:口腔癌の頸部リンパ節転移に対する画像診断法とその診断能.口腔腫瘍16:75-84,2004.[Ⅳ]

3) van den Brekel, M.W., Castelijns, J.A., et al.: Modern imaging techniques and ultrasoundguided aspiration cytology for the assessment of neck node metastases: a prospective comparative study. Eur Arch Otorhinolaryngol 250: 11-17, 1993.[Ⅳ]

4) Cole, I., Chu, J., et al: Metastatic carcinoma in the neck: a clinical computerized tomography scan and ultrasound study. Aust NZ J Surg 63: 468-474, 1993.[Ⅳ]

5) Shingaki, S., Suzuki, I., et al.: Computed tomographic evaluation of lymph node metastasis in head and neck carcinomas. J Craniomaxillofac Surg 23: 233-237, 1995.[Ⅳ]

6) Bergman,S.A., Ord, R.A., et al.: Accuracy of clinical examination versus computed tomography in detecting occult lymph node involvement in patients with oral epidermoid carcinoma. J Oral Maxillofac Surg 52: 1236-1239, 1994.[Ⅳ]

7) Woolgar, J.A., Beirne, J.C.,et al.: Correlation of histopathologic findings with clinical and radiologic assessments of cervical lymph-node metastases in oral cancer. Int J oral Maxillofac Surg 24: 30-37, 1995.[Ⅳ]

8) Giancarlo,T., Palmieri, A.,et al.: Pre-operative evaluation of cervical adenopathies in tumours of the upper aerodigestive tract. Anticancer Res 18: 2805-2809, 1998.[Ⅳ]

9) Ali, S.,Tiwari, R.M., et al.: False-positive and falsenegative neck nodes. Head Neck Surg 8: 78-82, 1985.[Ⅳ]

10) Takes, R.P., Knegt, P., et al.: Regional metastasis in head and neck squamous cell carcinoma: revised value of US with US-guided FNAB. Radiology 198: 819-823, 1996.[Ⅳ]

11) Steinkamp, H.J., Cornehl,M., et al.: Cervical lymphadenopathy: ratio of long- to short-axis diameter as a predictor of malignancy. Br J Radiol 68: 266-270, 1995.[Ⅳ]

12) 日本口腔腫瘍学会編:口腔癌取扱い規約2010 年度版,金原出版,2010.(追加論文)

13) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:頬粘膜癌・口底癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍20:25-117,2008.(追加論文)

14) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:上顎歯肉癌・硬口蓋癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍 21:71-121,2009(追加論文)

15) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:下顎歯肉癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍19:37-124,2007.[Ⅳ]

16) 横井 共,阿部 厚,他:頸部リンパ節転移におけるPET の診断精度および病理組織学的所見について.日口外誌 56:409-415,2010.[Ⅳ]

17) 林 孝文:口腔癌頸部リンパ節転移の画像所見と病理所見の対応について.日口外誌54:361-367,2008.[Ⅳ](追加論文)

18) 有地榮一郎:口腔癌頸部リンパ節転移の画像診断:診断基準の設定について.日口外誌54:309-315,2008.[Ⅳ](追加論文)

19) 林 孝文,新国 農,他:口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移の画像診断.新潟歯会誌37: 173-186,2007.[Ⅳ](追加論文)

20) Liao, C.T., Wang, H.M., et al.: PET and PET/CT of the neck lymph nodes improves risk prediction in patients with squamous cell carcinoma of the oral cavity. J Nucl Med 52: 180-187, 2011.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式: (口腔扁平上皮癌/AL OR 舌癌/AL OR 下顎歯肉癌/AL OR 頬粘膜癌/AL OR 上顎歯肉癌/AL OR 口底癌/AL OR 口蓋癌/AL) AND (リンパ節転移) AND (触診 OR 診断 OR 正診率) AND(症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:84件,除外件数:83件,追加件数:1件

(2)PubMed

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/6/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (palpation OR diagnosis OR diagnostic accuracy) AND (neck [mh] AND lymph node AND metastasis [mh])

④検索件数:153件,除外件数:144件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式:(口腔腫瘍OR 口腔癌)AND (リンパ節転移)AND (触診 OR 画像診断)AND (症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:117 件,除外件数:115 件,追加件数:6 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/12/20

③検索式:(oral AND squamous cell AND cancer[mh]) AND (palpation OR imaging diagnosis OR diagnostic accuracy) AND (neck[mh] AND lymph node AND metastasis[mh])

④検索件数:65 件,除外件数:64 件,追加件数:0 件


Ⅱ.画像診断

1 T因子の画像診断

a.舌癌

舌癌原発巣の画像診断では,舌内および周囲組織への進展を評価する必要がある1)〜3)。T1,T2症例における病期の決定は視診・触診で十分な場合もあるが,客観的に進展を評価し,記録するという点に画像検査の意義がある。軟組織の診断が中心となるので,CT4)〜6),MR4)6)〜12)66)67)および超音波検査(US)13)〜19)68)69)が主として用いられる(CQ3-5)。

舌内進展の評価では,舌筋群の変化と画像上の厚み(深達度)が評価される(CQ3-6)。CT では,腫瘍は舌の筋肉間の脂肪組織の欠落として描出される。造影により腫瘍の範囲が明瞭になる。冠状断画像が有効な場合がある。歯冠修復物などによる金属アーティファクトが出現する。MR は一般的にCT より組織分解能が優れており,T1 強調画像,T2 強調画像,脂肪抑制T2 強調画像,脂肪抑制造影T1 強調画像などが基本的な撮像シークエンスである。T2 強調画像,脂肪抑制T2 強調画像,脂肪抑制造影T1 強調画像では腫瘍は高信号を示し,進展範囲が明瞭となる。冠状断画像が有効な場合がある66)67)。磁性体の存在によりアーティファクトが出現する。口腔内走査型の超音波装置は腫瘍の厚み(深達度)の評価に使用される13)〜15)18)19)。腫瘍は低エコー領域として描出される。口腔外走査型の装置でも,腫瘍を描出できる場合がある16)17)

周囲組織への進展の評価では,舌内進展の評価同様にCT,MR が有効である。顎骨の吸収を評価する際にはパノラマX 線撮影や口内法撮影に加えCT,MR が用いられる。

b.口底癌

基本的には舌癌の場合と同様に画像検査を進める。US は適応が困難な場合がある。

c.頬粘膜癌

基本的には舌癌の場合と同様に画像検査を進める。軟組織への進展では顔面皮膚への進展,咀嚼筋間隙への進展の評価が重要である1)

d.下顎歯肉癌

下顎歯肉癌の病期決定には下顎骨および周囲軟組織への進展を評価する必要がある1)CQ3-7)。UICC の分類1)では,歯槽部や抜歯窩の表層の骨吸収はT4a としないとされ,これを越える骨吸収の判定が重要となる。日本口腔腫瘍学会は画像上の骨吸収の深さを表3-3 のように分類することを提唱している20)。画像上の骨吸収と組織学的な癌浸潤範囲は必ずしも一致しないことに注意する必要がある21)〜23)。一般的に骨吸収の判定にはパノラマ,頭部後頭前頭方向,下顎骨斜位,咬合法,口内法X 線写真22)〜25)やCT21)26)〜28)を標準とし,MR も参考とする29)30)70)71)。最近では,歯科用コーンビームCT が有用との報告もある31)72)。骨シンチグラフィも使用される32)〜34)が一般的に普及はしていない。一方,画像上の所見(骨吸収型)は平滑型と虫喰い型および両者の中間型に分類される(表3-4)。多くの報告で予後との関連性が指摘されている35)〜37)CQ3-8)。PET/CT の有用性を示す報告もある73)

咀嚼筋間隙,翼状突起,頭蓋底,頸動脈への進展の評価にはCT,MR が必須となる38)

表3-3 下顎骨深達度の分類

①下顎骨吸収なし
②下顎骨髄質歯槽部に限局した骨吸収
③下顎骨髄質下顎管に達しない骨吸収
④下顎骨髄質下顎管以下に達する骨吸収

表3-4 下顎骨吸収型の分類

①平滑型(pressure type)

骨吸収縁が明瞭,平滑で骨吸収部に遊離骨片を認めないもの

②中間型(mixed type)

骨吸収縁がやや不明瞭で不整であるが,骨吸収部に遊離骨片を認めないもの

③虫喰い型(moth-eaten type)

骨吸収縁が不明瞭,不整で骨吸収部に遊離骨片が認められるもの

e.上顎歯肉癌

病期の決定のためには,上顎骨および上顎洞への進展と周囲軟組織への進展の評価が重要となる1)。上顎骨進展の評価にはパノラマ,口内法X 線写真およびCT を標準として使用する39)〜41)。上顎洞への進展はパノラマ,Waters 法X 線写真,CT およびMR を使用する。周囲軟組織進展の評価にはCT,MR を使用する38)39)。頬粘膜,咀嚼筋間隙,側頭下窩などへの進展を評価する39)

f.硬口蓋癌

基本的には上顎歯肉癌の場合と同様に画像検査を進める。

2 N因子の画像診断(CQ3-9

口腔癌の頸部リンパ節転移の診断には,CT,MR やUS が一般的に使用される2)3)42)〜45)。初回検査時には,CT あるいはMR を使用して原発巣を含めた検査が行われることが多い。核医学検査として,近年はpositron emission tomography(PET)の有用性を示す報告が増えている46)47)74)〜76)。術後の経過観察など頻回の検査にはUS が有用である48)〜51)

扁平上皮癌のリンパ節転移の特徴的な所見として中心壊死が挙げられ,この所見が認められる場合は大きさにかかわらず転移をほぼ確定し得る。造影CT では内部に低濃度域が認められ,辺縁部が強く造影されるため,rim-enhancement と表現される44)45)。MR ではT2 強調画像で内部が高信号域となり,脂肪抑制造影T1 強調画像では内部が低信号域となる44)45)。US では無エコー域がみられる44)45)。ドプラ法では正常な血流の欠落領域として認められる場合もある52)〜54)。角化が著明な場合には,単純CT で高濃度域,US で不定形の高エコー域がリンパ節内部に観察されることがある55)56)。大きさについては,リンパ節の短径が10 mm 以上の場合に転移とする基準が最も多く受け入れられている44)。一方,非転移の所見として内部にリンパ門(hilum,hilus)が認められる場合を挙げるものもある44)。補助的な診断法として超音波エラストグラフィも応用されている77)78)

近年ではセンチネルリンパ節生検が口腔癌にも導入され,その同定に核医学検査が応用されている57)79)

各検査法はそれぞれに特長があり,適切に組み合わせることで診断精度の向上が望まれる。

3 M因子の画像診断(CQ3-10

最も多い肺転移の検査として胸部X 線撮影が一般的に使用される。CT も肺転移の診断に用いられている58)。他の全身への転移に対しては67Ga シンチグラフィや骨シンチグラフィが施行される59)60)。最近では,PET による診断が行われるようになっている61)62)80)81)

4 その他の画像診断

口腔癌患者では,消化管や呼吸器等に重複癌が高頻度で発生することが知られており(CQ2-5),その発見には内視鏡検査や消化管の造影検査が有用である63)〜65)。最近ではPET/PET-CT 検査によって重複癌が発見されることも報告されている62)80)81)。さらに予後の予測や経過観察におけるPET/CT の有用性が報告されるようになっている82)83)

【参考文献はガイドライン誌『科学的根拠に基づく 口腔癌診療ガイドライン2013 年版』
(金原出版刊行物)添付CD-ROMに収録】


CQ 3-5  
舌癌原発巣の病期決定(T 分類)にはどのような画像検査が勧められるか?
推奨グレードB

舌癌原発巣の病期(T 分類)決定のために優先される画像検査法はMR であり,MR が使用できない場合にはCT を使用する。厚み(深達度)の評価にはMR あるいは口腔内走査型のUS が推奨される。下顎骨吸収の評価にはパノラマX 線撮影およびCT を標準とする。

【背 景】

軟組織を描出できるCT,MR,US 等の利用が一般的となり,舌癌原発巣の評価にも使用されている。各種の画像検査法の有用性と特徴を検証する。

【解 説】

舌癌では,T1,T2 症例においても原発巣の進展範囲を客観的に評価するという点で画像診断の役割は大きい。UICC の分類1)では顎骨あるいは外舌筋(オトガイ舌筋,舌骨舌筋,口蓋舌筋,茎突舌筋)への進展がある場合にT4a,咀嚼筋間隙,翼状突起,頭蓋底,内頸動脈への進展がある場合にT4b と分類している。下顎骨吸収の判定はパノラマ,口内法X 線写真あるいはCT による。軟組織進展の評価は重要であり,CT2)〜4),MR2)5)〜10)30)34),US11)〜19)32)35)あるいは核医学検査20)21)29)31)33)が適応される[Ⅳ]。厚み(深達度)が頸部リンパ節転移や予後と関連するという報告があり,厚み( 深達度)の評価には主としてMR5)〜7)22)〜25)30)34)あるいは口腔内走査型探触子を装備したUS11)〜13)15)〜18)26)〜28)が用いられる[Ⅳ]CQ3-6)。

CT では腫瘍の進展は舌筋間の脂肪組織の欠落として描出され2),造影を行うことによって境界が明瞭になる2)4)[Ⅳ]

一般的に,MR はCT より組織分解能に優れ,腫瘍の描出率が高いとする報告が多い10)12)23)[Ⅳ]。しかし,病期の決定にはCT と同等とするものもある4)[Ⅳ]。MR ではさまざまなシーケンスが使用されるが,T1 強調画像,T2 強調画像,脂肪抑制T2 強調画像,脂肪抑制造影T1 強調画像が基本となる。T1 強調画像では腫瘍は低信号域として,他のシーケンスでは高信号域として描出される。MR 画像で評価された進展範囲や厚み(深達度)は組織学的な腫瘍浸潤範囲とよく相関することが確かめられている18)22)〜24)[Ⅳ]が,周囲の炎症も含めて描出されるため過大評価する傾向がある22)23)[Ⅳ]。内向型の腫瘍では外向型のものと比較して,T2 強調画像や脂肪抑制造影T1 強調画像で周囲組織との境界が不明瞭になるという24)[Ⅳ]。また,ダイナミックMR では,腫瘍の中心部と辺縁部の造影パターンが組織学的な浸潤パターンと関連するという報告がある6)[Ⅳ]

【参考文献】

1) UICC: TNM Classification of Malignant Tumors. 6th edition, Wiley-Liss, New York, p22-26, 2002.

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10) 有吉靖則,島原政司,他:舌癌の画像診断学的検討─ MRI ならびにCT における病巣検出能の比較.日口外誌45:482-490,1999.[Ⅳ]

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16) 狩野岳史,砂川 元:舌扁平上皮癌の臨床病理学的所見と口腔内超音波所見との関連について.頭頸部癌31:8-14,2005.[Ⅳ]

17) 林 孝文,新垣 晋,他:超音波断層撮影法によるN0 舌癌症例の後発頸部リンパ節転移の予測─原発巣の厚みを考慮して. 口腔腫瘍13:257-260,2001.[Ⅳ]

18) 楠川仁悟,福田健司,他:舌扁平上皮癌に対するMRI と超音波検査による悪性度評価.口腔腫瘍13:245-251,2001.[Ⅳ]

19) 林 孝文,新垣 晋,他:T1・T2 舌癌の口腔内超音波所見と頸部リンパ節転移との関係.口腔腫瘍13:75-79,2001.[Ⅳ]

20) Sakamoto, H., Nakai, Y., et al.: Positron emission tomographic imaging of head and neck lesions. Eur Arch Otorhinolaryngol 254 Suppl 1: S123-126, 1997.[Ⅴ]

21) 小豆島正典,寺崎一典:口腔領域の悪性腫瘍診断に対するPET の応用.岩医大歯誌29: 213-223,2004.[Ⅳ]

22) 濱本 泰,新野恵司,他:舌癌におけるMRI 所見と実際の浸潤範囲の乖離.山形医学21:31-36,2003.[Ⅳ]

23) 岩渕博史,高森康次,他:舌癌のMRI 診断─ CT像との感度の比較と病理組織像との比較.口腔腫瘍13:235-238,2001.[Ⅳ]

24) 渡邉八州郎,岩瀬博建,他:舌癌における画像診断の検討─ MR 画像と病理組織学的所見との対比.口腔腫瘍13:195-198,2001.[Ⅳ]

25) 渡邉八州郎,斉木名執,他:舌癌におけるMR 画像診断と病理組織学的所見との比較検討.口腔腫瘍13:173-181,2001.[Ⅳ]

26) 長澤宏和:高周波口腔内探触子を用いた舌扁平上皮癌原発巣の超音波診断に関する研究.口病誌66:98-106,1999.[Ⅳ]

27) Matsuura, K., Hirokawa, Y., et al.: Treatment results of stage Ⅰ and Ⅱ oral tongue cancer with interstitial brachytherapy: maximum tumor thickness is prognostic of nodal metastasis. Int J Radiat Oncol Biol Phys 40: 535-539, 1998.[Ⅳ]

28) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.

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30) Jung, J., Cho, N.H., et al.: Significant invasion depth of early oral tongue cancer originated from the lateral border to predict regional metastases and prognosis. Int J Oral Maxillofac Surg 38: 653-660, 2009.[Ⅳ]

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32) Kaneoya, A., Hasegawa, S., et al.: Quantitative analysis of invasive front in tongue cancer using ultrasonography. J Oral Maxillofac Surg 67: 40-46, 2009.[Ⅳ]

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34) Okura, M., Iida, S., et al.: Tumor thickness and paralingual distance of coronal MR imaging predicts cervical node metastases in oral tongue carcinoma. AJNR Am J Neuroradiol 29: 45-50, 2008.[Ⅳ]

35) Tominaga, K., Yamamoto, K., et al.: Intraoperative surgical clearance confirmation of tongue carcinomas using ultrasound. Dentomaxillofac Radiol 36: 409-411, 2007.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/5/18

③検索式:(舌腫瘍/TH OR 舌癌/AL) AND (PT=症例報告除く,会議録除く CK=ヒト SH=診断,画像診断,X線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:37 件,除外件数:37 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/5/29

③検索式:"carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND "tongue neoplasms" [MeSH Terms] AND (("radiography" [MeSH Terms] OR radiography[Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR CT [Text word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy [Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms] AND ("1990/1/1" [EDAT]: "3000" [EDAT])

④検索件数:113件,除外件数:91件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:(舌腫瘍/TH OR 舌癌/AL) AND(PT=症例報告除く,会議録除く CK =ヒトSH =診断,画像診断,X 線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:37 件,除外件数:37 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma[" MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms"[MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography"[MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging"[MeSH Terms] OR "radionuclide imaging[" MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:274 件,追加件数:0 件


CQ 3-6  
舌癌原発巣の画像上の厚みや深さは頸部リンパ節転移と関連するか?
推奨グレードB

MR,US ともに画像上の厚みや深さが増すほど頸部リンパ節転移率が高くなる。

【背 景】

病理組織学的な舌癌原発巣の厚みは頸部リンパ節転移と関連することが示されており,画像検査で厚みや深さが評価できればその有用性は高くなる。

【解 説】

舌癌の原発巣においては外向性の発育を示すものや,表面の陥凹を伴うものがあり,厚みおよび深さの定義は重要である。深さは仮想の正常粘膜面から画像上の腫瘍最深部までの距離と定義され,厚みとは区別される1)。一方,深達度はSM(粘膜下層浸潤),MP1(筋層表層への浸潤),MP2(筋層深層への浸潤)により評価されている1)

T2 強調MR 画像において,実測した厚み(actual thickness)とは別に,対側(正常側)の粘膜面から正中までの距離と正中から腫瘍最深部までの距離を基に計算する方法(reconstructed thickness)が提案されている2)[Ⅳ]。これは組織学的な深達度と高い相関を示す2)3)[Ⅳ]。計測にはT2 強調画像よりガドリニウム造影T1 強調画像の信頼性が高いとするものもある4)[Ⅳ]。このreconstructed thickness が6 mm 未満の症例では頸部リンパ節転移がみられなかったとするものや2)[Ⅳ],対側に転移のみられる症例ではみられない症例に比較して有意に深達度が大きいとする報告がある3)[Ⅳ]。わが国では,ガドリニウム造影T1 強調画像で厚み(腫瘍辺縁から最深部までの垂直距離と定義)が8 mm 以上になると,頸部リンパ節転移の頻度が有意に高くなるという報告がある5)[Ⅳ]。腫瘍の厚みの評価には冠状断MRI が有用であり11),腫瘍の厚みや舌深動脈までの距離とリンパ節転移に関連があると報告されている12)[Ⅳ]

US 検査では口腔内走査型探触子を用いる。探触子を直接腫瘍に接触させて画像を得るため,腫瘍や正常粘膜の状態に変化が生じ,厚みや深さを明確に区別することが難しい場合があるが,周囲に描出された正常粘膜面を参考として,深さを計測する1)。深さが8 mm 以上の症例で頸部リンパ節転移率が上昇することが報告されている5)6)[Ⅳ]。また,生存率にも8 mm を境として違いがみられるとする報告がある6)[Ⅳ]。T1,T2 症例の厚み(腫瘍表面から最深部までの最大径)と後発頸部リンパ節転移の関連を分析した報告では,10 mm をcut-off 値とした場合に最も高い診断精度が得られると報告されている7)10)[Ⅳ]。組織内照射を施行した症例において,8 mm 以上で頸部制御不能例が増える傾向にあることも報告されている8)[Ⅳ]。治療法との関連では,6〜7 mm 以上の場合には選択的頸部郭清を考慮する必要があるとするものもある9)[Ⅳ]

【参考文献】

1) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.

2) Iwai, H., Kyomoto, R., et al.: Magnetic resonance determination of tumor thickness as predictive factor of cervical metastasis in oral tongue carcinoma. Laryngoscope 112: 457-461, 2002.[Ⅳ]

3) Preda, L., Chiesa, F., et al.: Relationship between histologic thickness of tongue carcinoma and thickness estimated from preoperative MRI. Eur Radiol 16: 2242-2248, 2006.[Ⅳ]

4) Lam, P., Au-Yeung, K.M., et al.: Correlating MRI and histologic tumor thickness in the assessment of oral tongue cancer. AJR Am J Roentgenol 182: 803-808, 2004.[Ⅳ]

5) 楠川仁悟,福田健司,他:舌扁平上皮癌に対する MRI と超音波検査による悪性度評価.口腔腫瘍13:245-251,2001.[Ⅳ]

6) 長澤宏和:高周波口腔内探触子を用いた舌扁平上皮癌原発巣の超音波診断に関する研究.口病誌66:98-106,1999.[Ⅳ]

7) 林 孝文,新垣 晋,他:T1・T2 舌癌の口腔内超音波所見と頸部リンパ節転移との関係.口腔腫瘍13:75-79,2001.[Ⅳ]

8) Matsuura, K., Hirokawa, Y., et al.: Treatment results of stage Ⅰ and Ⅱ oral tongue cancer with interstitial brachytherapy: maximum tumor thickness is prognostic of nodal metastasis. Int J Radiat Oncol Biol Phys 40: 535-539, 1998.[Ⅳ]

9) 新谷 悟,松浦秀博,他:舌癌における原発巣の深さは転移予知因子となりえるか.頭頸部腫瘍22:180-184,1996.[Ⅳ](追加文献)

10) Hayashi, T., Ito, J., et al.: The relationship of primary tumor thickness in carcinoma of the tongue to subsequent lymph node metastasis. Dentomaxillofac Radiol 30: 242-245, 2001.[Ⅳ]

11) Jung, J., Cho, N.H., et al.: Significant invasion depth of early oral tongue cancer originated from the lateral border to predict regional metastases and prognosis. Int J Oral Maxillofac Surg 38: 653-60, 2009.[Ⅳ]

12) Okura, M., Iida, S., et al.: Tumor thickness and paralingual distance of coronal MR imaging predicts cervical node metastases in oral tongue carcinoma. AJNR Am J Neuroradiol. 29: 45-50, 2008.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/5/18

③検索式:(舌腫瘍/TH OR 舌癌/AL) AND (PT=症例報告除く,会議録除く CK=ヒト SH=診断,画像診断,X線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:89件,除外件数:70件,追加件数:1件

(2)PubMed

①検索期間:1990-2007

②検索日:2007/5/29

③検索式: "carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND "tongue neoplasms" [MeSH Terms] AND(( "radiography" [MeSH Terms] OR radiography [Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed" [MeSH Terms] OR CT [Text Word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy [Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms] AND ("1990/1/1" [EDAT]: "3000" [EDAT])

④検索件数:113件,除外件数:91件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:(舌腫瘍/TH OR 舌癌/AL) AND(PT=症例報告除く,会議録除く CK =ヒトSH =診断,画像診断,X 線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:37 件,除外件数:37 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma"[MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms"[MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography"[MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging"[MeSH Terms] OR "radionuclide imaging"[MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:279 件,追加件数:0 件


CQ 3-7  
下顎歯肉癌原発巣の病期決定(T 分類)にはどのような画像検査が勧められるか?
推奨グレードB

下顎骨吸収の判定はパノラマX 線写真およびCT を基本とし,周囲軟組織への進展の判定にはCT およびMR を使用する。

【背 景】

下顎歯肉癌原発巣の評価には,従来からX 線写真が用いられている。これを含め,現在使用されている画像検査法の特徴と有用性を検証する。

【解 説】

下顎歯肉癌の病期決定には顎骨の吸収と周囲軟組織への進展を評価する必要があり,T4 の決定に画像診断は重要な役割を果たす。UICC の分類によると,歯槽部や抜歯窩の表層の吸収はT4a としない1)とされ,これを超える骨吸収の判定が重要となる。下顎管を指標として,これを越える骨吸収があるときに,T4a とする下顎管分類が提唱されている2)[Ⅳ]。これらの判定には伝統的にパノラマ, 頭部後頭前頭方向, 下顎骨斜位, 咬合法, 口内法X 線写真,CT が使用されている3)〜26)35)36)40)[Ⅳ]。パノラマX 線写真,パノラマX 線写真と口内法X 線写真の併用およびCT 軸位断像の有用性を比較検討した報告では,骨吸収の有無を評価する場合には,口内法X 線写真を加えると正診率が低下する傾向にあることが示され,これは口内法X 線写真では,投影角度が撮影者や部位によって異なることが原因であろうとしている22)[Ⅳ]。MR で骨への進展を判定しようとする試みもあり27)28)[Ⅳ],骨髄浸潤についてはCT より感度が高いとする報告がある39)45)[Ⅳ]。またダイナミックMR の有用性も報告されるようになった42)[Ⅳ]。骨シンチグラフィが有用との報告は多い29)〜32)が,使用できない施設も多く,一般的検査法としては定着していない[Ⅳ]。PET/CT の特異度が高いことが示され37)[Ⅳ],複数の検査法の併用を推奨する報告も出てきた38)43)44)[Ⅳ]。歯科用コーンビームCT が有用との報告もある33)41)[Ⅴ]

咀嚼筋間隙,翼状突起,頭蓋底,頸動脈への進展の評価にはCT,MR が必須となる。下顎歯肉癌のCT およびMR 画像の分析では,周囲の組織間隙への進展は58%の症例にみられ,大臼歯部に原発したものでは20%に咀嚼筋間隙への進展がみられるとの報告がある34)[Ⅳ]

【参考文献】

1) UICC: TNM Classification of Malignant Tumors. 6th edition, Wiley-Liss, New York, p22-26, 2002.

2) 藤林孝司:下顎歯肉癌の下顎管分類および下顎管分類と骨吸収様式に基づく下顎切除法.口腔腫瘍16:35-48,2004.[Ⅳ]

3) 清水谷公成,田中義弘,他:下顎歯肉癌の顎骨侵襲.歯科放射線2:8-32,1980.[Ⅳ](追加論文)

4) 岸 豊子,草間幹夫,他:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的検討─原発巣腫瘍の進展範囲と頸部リンパ節転移.日口外誌37:633-641,1991.[Ⅳ]

5) 西村 毅,横江義彦,他:下顎歯肉癌におけるX 線骨吸収像と予後との関連について.日口外誌37:805-810,1991.[Ⅳ]

6) 中沢光博,加納康行,他:下顎歯肉扁平上皮癌の顎骨吸収様式と予後との関連性.口科誌40:589-599,1991.[Ⅳ]

7) Jikko, A., Murakami, S., et al.: Correlation between radiographic and histopathological findings in squamous cell carcinoma of the gingival. Oral Radiol 2: 33-40, 1989.[Ⅳ]

8) 篠原正徳,原田 猛,他:下顎歯肉癌の臨床的,免疫組織学的検討─腫瘍浸潤様式ならびに細胞外基質出現様式について.口腔腫瘍6:1-10,1994. [Ⅳ]

9) 中條哲子,吉賀浩二,他:下顎歯肉扁平上皮癌の予後関連因子の解析─臨床所見および組織学的悪性度について.広大歯誌27:132-138,1995.[Ⅳ]

10) 中嶋正博,森田章介,他:下顎歯肉扁平上皮癌の予後因子に関する検討.口腔腫瘍8:25-32,1996.[Ⅳ]

11) 米持武美,関山三郎,他:下顎歯肉扁平上皮癌に対する動注化学療法と放射線同時併用療法の治療成績について.日口外誌44:841-851,1998.[Ⅳ]

12) 松本光彦,渡辺 直,他:下顎歯肉扁平上皮癌の手術成績.日大歯学74:651-658,2000.[Ⅳ]

13) 久保田裕美,野口 誠,他:下顎歯肉扁平上皮癌の外科治療成績と予後因子の検討.口腔腫瘍13:9-16,2001.[Ⅳ]

14) 出雲俊之:下顎歯肉癌手術材料の取り扱い.口腔腫瘍13:99-100,2001.

15) 楠川仁悟,木原俊之,他:外科治療を行った下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的検討.頭頸部腫瘍26:101-109,2000.[Ⅳ]

16) Swearingen, A.G., McGraw, J.P. et al.: Roentgenographic pathologic correlation of carcinoma of the gingiva involving the mandible. Am J Roentgenol Radium Ther Nucl Med 96: 15-18, 1966.[Ⅴ]

17) Ahuja, R.B., Soutar, D.S., et al.: Comparative study of technetium-99m bone scans and orthopantomography in determining mandible invasion in intraoral squamous cell carcinoma. Head Neck 12: 237-243, 1990.[Ⅳ]

18) Totsuka, Y., Usui, Y., et al.: Mandibular involvement by squamous cell carcinoma of the lower alveolus: analysis and comparative study of histologic and radiologic features. Head Neck 13: 40-50, 1991.[Ⅳ]

19) 岩城 博:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的,X 線学的, 病理組織学的研究. 口病誌59:643-680,1992.[Ⅳ]

20) Tei, K., Totsuka, Y., et al.: Marginal resection for carcinoma of the mandibular alveolus and gingiva where radiologically detected bone defects do not extend beyond the mandibular canal. J Oral Maxillofac Surg 62: 834-839, 2004.[Ⅳ]

21) Brown, J.S., Griffith, J.F., et al.: A comparison of different imaging modalities and direct inspection after periosteal stripping in predicting the invasion of the mandible by oral squamous cell carcinoma. Br J Oral Maxillofac Surg 32: 347-359, 1994.[Ⅳ]

22) Nakayama, E., Yoshiura, K., et al.: Detection of bone invasion by gingival carcinoma of the mandible: a comparison of intraoral and panoramic radiography and computed tomography. Dentomaxillofac Radiol 28: 351-356, 1999.[Ⅳ]

23) Nakayama, E., Yoshiura, K., et al.: A study of the association between the prognosis of carcinoma of the mandibular gingiva and the pattern of bone destruction on computed tomography. Dentomaxillofac Radiol 29: 163-169, 2000.[Ⅳ]

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26) Nakayama, E., Yoshiura, K., et al.: The correlation of histologic features with a panoramic radiography pattern and a computed tomography pattern of bone destruction in carcinoma of the mandibular gingiva. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 96: 774-782, 2003.[Ⅳ]

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34) Kimura, Y., Sumi, M., et al.: Deep extension from carcinoma arising from the gingiva: CT and MR imaging features. AJNR Am J Neuroradiol 23: 468-472, 2002.[Ⅳ]

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36) 河野憲司,高橋喜浩,他:下顎歯肉扁平上皮癌の顎骨浸潤に対するパノラマX 線写真の診断精度.頭頸部癌 33:400-405,2007.[Ⅳ]

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【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/5/18

③検索式:((歯肉腫瘍/TH OR 歯肉腫瘍/AL) OR (歯肉腫瘍/TH OR 歯肉癌/AL)) AND (PT=症例報告除く,会議録除くCK=ヒト)

④検索件数:268件,除外件数:224件,追加件数:1件

(2)PubMed

①検索期間:1966-2007

②検索日:2007/5/29

③検索式: "carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND ("gingival neoplasms" [MeSH Terms] OR "mandibular neoplasms" [MeSH Terms]) AND (("radiography" [MeSH Terms] OR radiography [Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed" [MeSH Terms] OR CT [Text word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy[Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms]

④検索件数:130件,除外件数:81件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:((歯肉腫瘍/TH OR 歯肉腫瘍/AL) OR(歯肉腫瘍/TH OR 歯肉癌/AL)) AND (PT =症例報告除く,会議録除くCK =ヒト)

④検索件数:134 件,除外件数:132 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma"[MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms"[MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography"[MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging"[MeSH Terms] OR "radionuclide imaging"[MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:272 件,追加件数:0 件


CQ 3-8  
下顎歯肉癌原発巣の骨吸収型は臨床経過と関連するか?
推奨グレードB

下顎歯肉癌の画像所見で骨吸収型は予後と関連するという報告が多く,虫喰い型の骨吸収を示すものでは予後が悪いとされる。

【背 景】

下顎歯肉癌のX 線写真における骨吸収の様相が予後と関連するとされている。CT を含め,原発巣の骨吸収型と臨床経過との関連を検証する。

【解 説】

下顎歯肉癌の骨吸収の様相は,吸収縁が整で明瞭な平滑型と,不整の虫喰い型に分類されてきている1)〜25)[Ⅳ]が,口腔癌取扱い規約では,骨吸収型が連続的な分布を示すことに配慮して,両者の中間型を分類項目として採用している26)。平滑型はU-shape あるいは皿状吸収,虫喰い型は浸潤型と呼ばれることもある。この分類にはパノラマ,下顎骨斜位,口内法X 線写真が主として用いられてきた1)〜20)28)が,最近ではCT21)〜25)27)を用いて分類するものもある[Ⅳ]。虫喰い型の骨吸収を示す場合には予後が不良であるとする報告が多い2)5)10)11)13)15)19)[Ⅳ]。X 線写真とCT を比較した報告では,パノラマX 線写真における骨吸収型はリンパ節転移率,再発率,生存率のいずれとも関連を認めないが,CT では関連が認められている22)[Ⅳ]。この理由として,CT ではパノラマX 線写真に比較して組織所見との関連がより強いことが一因であろうと考察している。CT データを再構築画像で詳細に観察することによって,骨吸収型で頸部リンパ節転移のリスクを予測することが可能であるとするものもある24)[Ⅳ]。問題点として,骨吸収型判定の再現性が検証されていないことが挙げられる。10 年以上の経験を有する診断医ではパノラマX 線写真,CT ともに高い再現性を示すことが確かめられている。しかし,施設や装置の違いによる再現性は明らかではない21)[Ⅳ]

【参考文献】

1) 藤林孝司:下顎歯肉癌の下顎管分類および下顎管分類と骨吸収様式に基づく下顎切除法.口腔腫瘍16:35-48,2004.[Ⅳ]

2) 清水谷公成,田中義弘,他:下顎歯肉癌の顎骨侵襲.歯科放射線2:28-32,1980.[Ⅳ](追加論文)

3) 岸 豊子,草間幹夫,他:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的検討─原発巣腫瘍の進展範囲と頸部リンパ節転移.日口外誌37:633-641,1991.[Ⅳ]

4) 西村 毅,横江義彦,他:下顎歯肉癌におけるX 線骨吸収像と予後との関連について.日口外誌37:805-810,1991.[Ⅳ]

5) 中沢光博,加納康行,他:下顎歯肉扁平上皮癌の顎骨吸収様式と予後との関連性.口科誌40:589-599,1991.[Ⅳ]

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7) 篠原正徳,原田 猛,他:下顎歯肉癌の臨床的,免疫組織学的検討─腫瘍浸潤様式ならびに細胞外基質出現様式について.口腔腫瘍6:1-10,1994.[Ⅳ]

8) 中條哲子,吉賀浩二,他:下顎歯肉扁平上皮癌の予後関連因子の解析─臨床所見および組織学的悪性度について.広大歯誌27:132-138,1995.[Ⅳ]

9) 中嶋正博,森田章介,他:下顎歯肉扁平上皮癌の予後因子に関する検討.口腔腫瘍8:25-32,1996.[Ⅳ]

10) 米持武美,関山三郎,他:下顎歯肉扁平上皮癌に対する動注化学療法と放射線同時併用療法の治療成績について.日口外誌44:841-851,1998.[Ⅳ]

11) 松本光彦,渡辺 直,他:下顎歯肉扁平上皮癌の手術成績.日大歯学74:651-658,2000.[Ⅳ]

12) 久保田裕美,野口 誠,他:下顎歯肉扁平上皮癌の外科治療成績と予後因子の検討.口腔腫瘍13:9-16,2001.[Ⅳ]

13) 出雲俊之:下顎歯肉癌手術材料の取り扱い.口腔腫瘍13:99-100,2001.

14) 楠川仁悟,木原俊之,他:外科治療を行った下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的検討.頭頸部腫瘍26:101-109,2000.[Ⅳ]

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18) 岩城 博:下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的,X 線学的, 病理組織学的研究. 口病誌59:643-680,1992.[Ⅳ]

19) Tei, K., Totsuka, Y., et al.: Marginal resection for carcinoma of the mandibular alveolus and gingiva where radiologically detected bone defects do not extend beyond the mandibular canal. J Oral Maxillofac Surg 62: 834-839, 2004.[Ⅳ]

20) Brown, J.S.,Griffith,J.F., et al.: A comparison of different imaging modalities and direct inspection after periosteal stripping in predicting the invasion of the mandible by oral squamous cell carcinoma. Br J Oral Maxillofac Surg 32: 347-359, 1994.[Ⅳ]

21) Nakayama, E., Yoshiura, K., et al.: Detection of bone invasion by gingival carcinoma of the mandible: a comparison of intraoral and panoramic radiography and computed tomography. Dentomaxillofac Radiol 28: 351-356, 1999.[Ⅳ]

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23) Mukherji, S.K., Isaacs, D.L., et al.: CT detection of mandibular invasion by squamous cell carcinoma of the oral cavity. AJR Am J Roentgenol 177: 237-243, 2001.[Ⅳ]

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25) Nakayama, E., Yoshiura, K., et al.: The correlation of histologic features with a panoramic radiography pattern and a computed tomography pattern of bone destruction in carcinoma of the mandibular gingiva. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 96: 774-782, 2003.[Ⅳ]

26) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:下顎歯肉癌取り扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍19: 37-124, 2007.

27) Nakayama, E.: Imaging diagnosis for bone invasion by gingival carcinoma of the mandible: The value and the limitation. Jpn Dent Sci Rev 45: 23-30, 2009.[Ⅳ]

28) 松原志津加,野村武史,他:上顎歯肉癌と下顎歯肉癌における顎骨浸潤様式と予後に関する臨床病理学的研究.歯科学報 107: 691-699, 2007.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/5/18

③検索式:((歯肉腫瘍/TH OR 歯肉腫瘍/AL) OR (歯肉腫瘍/TH OR 歯肉癌/AL)) AND (PT=症例報告除く,会議録除く CK=ヒト)

④検索件数:268件,除外件数:224件,追加件数:1件

(2)PubMed

①検索期間:1966-2007

②検索日:2007/5/29

③検索式: "carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND ("gingival neoplasms" [MeSH Terms] OR "mandibular neoplasms" [MeSH Terms]) AND (("radiography" [MeSH Terms] OR radiography [Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed" [MeSH Terms] OR CT [Text Word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy [Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms]

④検索件数:130件,除外件数:81件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:((歯肉腫瘍/TH OR 歯肉腫瘍/AL) OR(歯肉腫瘍/TH OR 歯肉癌/AL)) AND (PT =症例報告除く,会議録除く CK =ヒト)

④検索件数:134 件,除外件数:132 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma[" MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms" [MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography"[MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR "radionuclide imaging"[MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:281 件,追加件数:0 件


CQ 3-9  
口腔癌の頸部リンパ節転移(N 分類)の評価にはどのような画像検査が勧められるか?
推奨グレードB

CT,MR,US を単独あるいは組み合わせて用いる。PET/PET-CT の有用性も報告されている。

【背 景】

頸部リンパ節転移の診断における各種の画像検査法の特徴と有用性を検証する。

【解 説】

CT,MR,US の単独使用では70〜80%以上の正診率が報告されている1)2)29)31)[Ⅳ]。各検査法の特徴と基準となる所見を以下に示す。

CT では,中心壊死が認められる場合は大きさにかかわらず転移をほぼ確定し得る。造影CT では内部に低濃度域が認められ,辺縁部が強く造影されたrim-enhancement 所見を示す1)〜3)29)。内部の角化が高濃度域として認められる場合もある4)5)[Ⅴ]。大きさについては,リンパ節の短径が10 mm 以上の場合を転移とする基準が広く受け入れられている1)2)[Ⅳ]

MR でもCT 同様に中心壊死が認められる場合は,大きさにかかわらず転移をほぼ確定し得る3)。脂肪抑制造影T1 強調画像では内部が低信号域となる[Ⅳ]。最近は頸部リンパ節に対しても種々の撮像法が使用されるようになり6)7),今後の展開が期待できる[Ⅳ]。現時点ではMR による頸部リンパ節転移の診断能はCT とほぼ同等と評価されている2)8)[Ⅳ]

US でも中心壊死が認められる場合は,大きさにかかわらず転移をほぼ確定できる1)〜3)31)37)[Ⅳ]。リンパ節内部に壊死による無エコー域が認められる場合9)〜11)[Ⅳ]や,角化による不定形の高エコー域が認められる場合がある4)[Ⅴ]。また,ドプラ法では正常な血流の欠落領域として認められる場合もある12)〜16)[Ⅳ]。一方,リンパ門が周囲脂肪組織と連続性のある高エコー域として描出されるため,これの有無が転移の判定に役立つ場合もある17)[Ⅳ]。最近では超音波エラストグラフィが利用され24)32)36)39),従来型のUS との組合せにより正診率が向上するとの報告がある24)32)36)[Ⅳ]

近年ではPET,PET/CT の頸部リンパ節に対する有用性を示す報告が増えている18)20)26)〜28)30)33)38)40)〜48)[Ⅳ]。F-18 fluorodeoxyglucose(18F-FDG)が核種として使われることが多いが19),他の核種の使用も試みられている45)[Ⅳ]。さらにSPECT の有用性も報告されている49)[Ⅳ]。正診率をさらに向上させるために,これらの診断法が組み合わせて使用される20)〜23)30)34)35)[Ⅳ]。センチネルリンパ節の同定に核医学検査が応用される25)33)50)[Ⅳ]

【参考文献】

1) 神田重信,筑井 徹,他:口腔癌の頸部リンパ節転移に対する画像診断法とその診断能.口腔腫瘍16:75-84,2004.[Ⅳ]

2) Nakamura, T., Sumi, M., et al.: Diagnostic imaging of metastatic cervical lymph nodes. Acta Med Nagasaki 46: 1-8, 2001.[Ⅳ]

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34) 林 孝文:口腔癌頸部リンパ節転移の画像所見と病理所見の対応について.日口外誌 54:361-367,2008.[Ⅳ]

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【文献検索】

(1)医中誌
初版時

①検索期間:1998-2007

②検索日:2007/5/30

③検索式:(頸部リンパ節/AL) AND (PT=症例報告除く,会議録除く AND CK=ヒト AND SH=診断,画像診断,X線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:235件,除外件数:204件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1998-2007

②検索日:2007/5/30

③検索式: "carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND ("gingival neoplasms" [MeSH Terms] OR "mandibular neoplasms" [MeSH Terms]) AND (("radiography" [MeSH Terms] OR radiography [Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed" [MeSH Terms] OR CT [Text Word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy [Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms]

④検索件数:134件,除外件数:91件,追加件数:2件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:(頸部リンパ節/AL) AND (PT =症例報告除く,会議録除く AND CK =ヒト AND SH =診断,画像診断,X 線診断,放射線核種診断,超音波診断)

④検索件数:168 件,除外件数:152 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma[" MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms"[MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography" [MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging"[MeSH Terms] OR "radionuclide imaging"[MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:270 件,追加件数:0 件


CQ 3-10  
口腔癌の遠隔転移(M 分類)の評価にはどのような画像検査が勧められるか?
推奨グレードB

一般的に胸部X 線撮影が行われ,CT も利用されてきたが,近年はPET,PET/CT の有用性が報告されている。

【背 景】

口腔癌において最も頻度の高い遠隔転移部位は肺である。遠隔転移診断における各種の画像検査法の特徴と有用性を検証する。

【解 説】

口腔癌の遠隔転移は肺に多く,一般的にその診断には胸部X 線撮影が使用される。CT も肺転移の診断に用いられる1)2)9)10)[Ⅳ]

従来から,全身への転移に対しては67Ga による腫瘍シンチグラフィや骨シンチグラフィが使用されてきたが,口腔癌と上顎洞癌を対象とした分析では,遠隔転移の発見にこれらの検査法は有効ではないとの報告がある3)4)[Ⅳ]。最近では,FDG-PET による遠隔転移の診断が一般的に行われるようになっている5)〜8)[Ⅳ]

【参考文献】

1) Loh, K.S., Brown, D.H., et al.: A rational approach to pulmonary screening in newly diagnosed head and neck cancer. Head Neck 27: 990-994, 2005. [Ⅳ](追加論文)

2) Ong, T.K., Kerawala, C.J., et al.: The role of thorax imaging in staging head and neck squamous cell carcinoma. J Craniomaxillofac Surg 27: 339-344, 1999.[Ⅳ](追加論文)

3) Onizawa, K., Yoshida, H.: Evaluation of 67 Ga citrate and 99m Tc bone scintigraphy at initial examination for primary oral squamous cell carcinoma. J Oral Maxillofac Surg 61: 913-917, 2003.[Ⅳ]

4) 金村弘成,近藤壽郎,他:口腔癌患者に対する67Ga シンチグラフィーの有用性に関する検討.頭頸部腫瘍29: 178-185,2003.[Ⅳ]

5) Goerres, G.W., Schmid, D.T., et al.: Impact of whole body positron emission tomography on initial staging and therapy in patients with squamous cell carcinoma of the oral cavity. Oral Oncol 39: 547-551, 2003.[Ⅳ](追加論文)

6) Teknos, T.N., Rosenthal, E.L., et al.: Positron emission tomography in the evaluation of stage Ⅲ and Ⅳ head and neck cancer. Head Neck 23: 1056-1060, 2001.[Ⅳ]

7) 川原一郎,浜田智弘,他:口腔悪性腫瘍診断におけるFDG-PET-CT の有用性についての検討.奥羽大歯誌 37:93-98,2010.[Ⅳ]

8) 久富美紀,此内浩信,他:岡山大学歯学部の口腔領域悪性腫瘍患者におけるFDG-PET 検査の有用性に関する検討.岡山歯会誌 27:99-103,2008.[Ⅳ]

9) 高橋 章,前田直樹,他:口腔顎顔面悪性腫瘍の遠隔転移評価における躯幹部CT 検査の位置づけ.四国歯会誌 19:239-246,2007.[Ⅳ]

10) Jaspers, G.W., Witjes, M.J., et al.: Strategies for patients with newly diagnosed oral squamous cell carcinoma and a positive chest CT. A cohort study on the effects on treatment planning and incidence. Eur J Surg Oncol 37: 272-277,2011.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1997-2007

②検索日:2007/5/30

③検索式:(遠隔転移/AL) AND ((遠隔転移/AL) AND (PT=症例報告除く,会議録除く AND CK=ヒト AND SH=診断,画像診断,X線診断,放射線核種診断,超音波診断)) AND ((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) OR (頭頸部腫瘍/TH OR 頭頸部癌/AL))

④検索件数:51件,除外件数:44件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1997-2007

②検索日:2007/5/30

③検索式: "carcinoma, squamous cell" [MeSH Terms] AND ("gingival neoplasms" [MeSH Terms] OR "mandibular neoplasms" [MeSH Terms]) AND (("radiography" [MeSH Terms] OR radiography [Text Word]) OR ("tomography, x-ray computed" [MeSH Terms] OR CT [Text word] OR computed tomography [Text Word]) OR ("magnetic resonance imaging" [MeSH Terms] OR MRI [Text Word]) OR ("radionuclide imaging" [MeSH Terms] OR scintigraphy[Text Word]) OR ("ultrasonography" [MeSH Terms] OR ultrasonography [Text Word])) AND (English [lang] OR Japanese [lang]) AND "humans" [MeSH Terms]

④検索件数:85件,除外件数:81件,追加件数:3件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:(遠隔転移/AL) AND ((遠隔転移/AL)AND (PT =症例報告除く,会議録除く AND CK=ヒト AND SH =診断,画像診断,X 線診断,放射線核種診断,超音波診断)) AND ((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) OR (頭頸部腫瘍/TH OR 頭頸部癌/AL))

④検索件数:7 件,除外件数:4 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/9/9

③検索式:"carcinoma" [MeSH Terms] AND("tongue neoplasms"[MeSH Terms] OR "gingival neoplasms"[MeSH Terms] OR "mouth neoplasms"[MeSH Terms]) AND("radiography"[MeSH Terms] OR "tomography, x-ray computed"[MeSH Terms] OR "magnetic resonance imaging"[MeSH Terms] OR "radionuclide imaging"[MeSH Terms] OR "ultrasonography"[MeSH Terms])

④検索件数:281 件,除外件数:280 件,追加件数:0 件


Ⅲ.病理診断

口腔癌の病理診断には細胞診と組織診がある。病理組織診断はパラフィン切片による診断と迅速凍結切片による診断が行われる。診断材料として生検材料と手術切除材料が用いられる。病理診断は口腔病理専門医や病理専門医が行い,細胞診に関しては細胞検査士のスクリーニングも行われる。

口腔領域に生じる悪性腫瘍は,口腔粘膜,唾液腺,顎骨,軟部組織,リンパ節など多岐の組織に由来する多様な組織型があるが,本ガイドラインでは口腔粘膜に発生する扁平上皮癌について記載する。扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)の組織亜型としては, 疣贅癌(verrucous carcinoma),類基底扁平上皮癌(basaloid squamous cell carcinoma),腺様扁平上皮癌(adenoid squamous cell carcinoma),腺扁平上皮癌(adenosquamous carcinoma),紡錘細胞癌(spindle cell carcinoma),乳頭状扁平上皮癌(papillary squamous cell carcinoma)などがある1)

上皮内癌を含めた口腔癌早期病変の考え方については,病理診断学の進歩により変化しており,従来の疾患概念や診断基準とは異なった意見が呈示されている2)10)11)。また,予後判定因子としての組織学的悪性度に関しても,従来のGrade 分類(WHO)に加えて,浸潤様式などが論じられるようになった3)〜5)

1 検査法

a.細胞診

口腔内では鋭匙,歯間ブラシや婦人科頸管ブラシなどを用いて,患部から直接擦過する擦過細胞診が主体である。細胞診は初診時の診断はもとより,治療効果判定や経過観察あるいは検診などに使用可能な簡便な診断法である。また,口腔癌の診断おいても深部病巣に対しては,穿刺吸引細胞診が行われる場合がある6)

b.生検

治療を前提とした生検組織の採取に際しては,病変および隣接する組織を含めて病変の一部を切除する方法(incisional biopsy)が一般的である。生検の目的は癌の確定診断であるが,癌の悪性度,周囲組織への進展,脈管侵襲など,予後を左右する因子の判定にも有効である7)10)CQ3-11)。また,小さな病変ではincisional biopsy することなく病変部をすべて切除して病理検査することもある{切除生検(excisional biopsy)}。小さな病変に有効で,一度で全体像を把握することが可能である。

c.手術材料での検査

手術で切除された組織では,切除断端の癌の有無,癌の組織型や進展形態,深達度,脈管侵襲,リンパ節転移の有無や手術前治療効果判定などが検査される。切除断端における癌組織の有無を判定することは最も重要である。さらに,口腔癌では形態的に癌とは特定できない切除断端での異型上皮の有無も問題となる(CQ3-14)。

手術標本の切出し方法は施設によって異なっていたが,近年学会単位で推奨方法を提示,統一しようとする動きがある7)10)。また,免疫染色,in situ hybridization などの分子病理学的検索も導入されるようになった7)11)

d.術中迅速病理検査

術中迅速病理診断は,手術中に切除断端の腫瘍の有無やリンパ節転移の有無の検索に用いられる。診断の精度はパラフィン標本に劣るが,術中に診断できる意義は大きい(CQ3-13)。

2 上皮内癌を含めた口腔癌早期病変の考え方の変遷

病理診断,特に生検や手術標本の組織診断において,境界病変は常に問題となってきた。従来WHO では,臨床的な前癌病変に対応して,扁平上皮性異形成(dysplasia)と扁平上皮内癌に分類し,dysplasia の程度を軽度,中等度,高度の3 段階で評価8)してきたが,その考え方や診断基準には異論もある1)2)。近年,口腔粘膜では分化型の組織像を呈する上皮内癌が多いという特性が明らかになり7)12),我が国ではWHO とは異なった分類が提唱されている10)。これは基本的に腫瘍性病変である口腔上皮内腫瘍(oral intraepithelial neoplasia:OIN)と反応性異型病変を区別する分類であるが,両者の間に狭義の境界病変である口腔上皮性異形成(oral epithelial dysplasia:OED)のカテゴリーも設けられている。口腔上皮内腫瘍であれば粘膜切除,口腔上皮性異形成であれば経過観察との臨床的な対応に重点をおいた分類でもある。なお,「頭頸部癌取扱い規約」(第5 版)9)では,dysplasia を上皮内腫瘍性病変と定義した上で,low grade とhigh grade に2 分類する食道癌の考え方を提案している。

現状はこれらの分類が混同されて使用されているため,同一用語が異なった意味で用いられる混乱が生じている。分類の詳細を病理診断医と臨床医双方が十分に認識しておく必要がある。

3 組織学的悪性度評価と浸潤様式

従来,重層扁平上皮への分化度を指標として高分化,中分化,低分化に3 分類するGrade 分類(WHO)が悪性度と相関するといわれていた8)。代表的な組織学的悪性度評価法としては,Jakobsson(Willen)分類3),Anneroth 分類4)がある。また本邦,特に口腔外科領域では腫瘍宿主境界部の浸潤様式分類(YK 分類)5)を使用する施設が多い。「頭頸部癌取扱い規約」(第5 版)9)では,浸潤様式として膨脹型と浸潤型が記載されている(CQ3-12)。

【参考文献はガイドライン誌『科学的根拠に基づく 口腔癌診療ガイドライン2013 年版』
(金原出版刊行物)添付CD-ROMに収録】


CQ 3-11  
生検から口腔癌の診断・治療に対してどのような情報が得られるか?

癌の確定診断だけでなく,予後にかかわる重要な情報が得られる場合が多い。

【背 景】

生検の目的は癌の診断を確定することと,癌の性状や予後にかかわるさまざまな情報を得ることである。生検から得られる治療に有用な情報について検証する。

【解 説】

生検組織から腫瘍胞巣の辺縁形態(浸潤様式),浸潤の程度,分裂能(分裂像の数,増殖マーカー陽性率),脈管侵襲度,分化度,それらを総合した組織学的悪性度などの情報が得られる3)[Ⅳ]。これらの因子のすべてが明確に予後と相関するというデータはないが,癌の性状を知る上で非常に有用である4)〜7)[Ⅳ]

一般に口腔内生検組織は小さい場合が多いが,診断にあたって免疫染色などを併用することによって,個々の癌の性状が明確にできる場合もある1)2)。また,ヨード生体染色で癌周囲に広範な不染域が認められる場合には,不染域の辺縁組織を採取することにより,切除範囲の決定に有用な情報が得られることもある。

切除生検(excisional biopsy)では,一定の安全域を含めて腫瘍を一度で切除するため,上記の情報はすべて観察可能で,切除断端の腫瘍の有無も判定でき,予後も推察しやすい7)〜10)[Ⅳ]

【参考文献】

1) 矢島安朝,野間弘康,他:舌癌excisional biopsy におけるヨード生体染色の有用性.口腔腫瘍13:277-282,2001.[Ⅳ]

2) Kanayasu, T., Tsukinoki, K., et al.: Association between p53 protein expression and chemosensitivity in pretreatment biopsy specimens of oral squamous cell carcinoma. Oral Med Pathol 9: 149-154, 2004.[Ⅳ]

3) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.

4) 横江義彦,瀬上夏樹,他:舌癌の組織学的悪性度と予後との関連について.口腔腫瘍2:164-171,1990.[Ⅳ]

5) 田中 彰,川尻秀一,他:口腔扁平上皮癌の間質線維化と細胞外基質分解酵素の発現に関する病理組織学的検討─癌浸潤様式との関連性について.口腔腫瘍16:169-181,2004.[Ⅴ]

6) 木戸幸恵,野口 誠,他:口腔扁平上皮癌の悪性度評点と予後因子. 頭頸部腫瘍29:558-562,2003.[Ⅳ]

7) 佐藤方信,畠山節子,他:生検例における舌癌の病理学的検討.日口外誌29:305-309,1983.[Ⅴ]

8) 楠川仁悟,亀山忠光:口腔扁平上皮癌に対するExcisional biopsy の適応と実際. 口腔腫瘍13(4 補):261-265,2001.[Ⅳ]

9) 木戸幸恵,野口 誠,他:Stage Ⅰ,Ⅱ 口腔扁平上皮癌の外科療法と予後因子─ excisional biopsy とpreoperative chemotherapy 症例の対比.口腔腫瘍13:271-276,2001.[Ⅳ]

10) 宮崎晃亘, 野口 誠, 他: 早期舌癌に対するexcisional biopsy の適応と治療成績.口腔腫瘍13(4 補):267-270,2001.[Ⅳ]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND (生検/TH OR 生検/AL))

④検索件数:265件,除外件数:210件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1968-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:oral cancer AND squamous cell carcinoma AND biopsy

④検索件数:343件,除外件数:305件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND(生検/TH OR 生検/AL))AND(PT =症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:78 件,除外件数:78 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:oral cancer AND squamous cell carcinoma AND biopsy Limit (Clinical Trial[ptyp] OR Practice Guideline[ptyp] OR Randomized Controlled Trial[ptyp]) AND ("2007/9"[PDAT]: "2011/10"[PDAT])

④検索件数:124 件,除外件数:118 件,追加件数:2 件


CQ 3-12  
口腔癌の浸潤様式は予後の判定に有用か?
推奨グレードB

癌の深部浸潤先端部における浸潤様式は,予後判定に有用な病理組織学的所見の 1つである。

【背 景】

口腔癌の組織学的悪性度評価は予後と相関するとされている。そこで,腫瘍宿主境界部の浸潤様式(mode of invasion)の予後予測因子としての有用性を検証する。

【解 説】

扁平上皮癌の最も一般的な組織学的悪性度評価法として,従来からWHO のGrade 分類1)がある。口唇癌におけるBroders 分類に由来し,主として重層扁平上皮への分化度を指標とした分類である。大きな母集団における検索では,予後やリンパ節転移とある程度は相関がみられることから,慣習的に使われてきた。その他の代表的な組織学的悪性度評価法にはJakobsson(Willen)分類2)3)[Ⅴ],Anneroth 分類4)5)[Ⅳ]がある。これらは,腫瘍宿主境界部の6〜8 因子を点数化して,総合点により悪性度を評価するものである。その有用性は多くの研究により検証されているが,煩雑さから広く普及するには至っていない。本邦,特に口腔外科領域では浸潤様式分類(YK 分類)6)表3-5)を使用する施設が比較的多い。この分類はJakobsson(Willen)分類やAnneroth 分類における評価項目の中から,腫瘍宿主境界部の胞巣形態に注目したものである。YK 分類はリンパ節転移と比較的相関し,特に4D 型に転移が多いと報告されている7)[Ⅳ]。消化器癌の浸潤増殖様式に対応する因子としては,INFα(a)はYK-2 型に,INFβ(b)はYK-3 型に,INFγ(c)はYK-4C 型,4D 型に相当する。口腔癌特有の高分化癌をYK-1 型,スキラス型の間質反応を伴うびまん性浸潤をYK-4D 型としたのが本分類である。WHO の近著でも,Grade 分類は予後との相関が低く,深部境界部でのびまん性の浸潤様式が重要であることを指摘している8)

しかし,予後を決定する因子は複雑で,単一因子のみの評価では決定しがたいのが現状である。

表3-5 浸潤様式分類(YK 分類)

YK分類

腫瘍宿主境界部の胞巣形態

1

境界線が明瞭

2

境界線にやや乱れ

3

境界線は不明瞭で大小の腫瘍胞巣が散在

4C

境界線は不明瞭で小さな腫瘍胞巣が索状に浸潤(索状型)

4D

境界線は不明瞭で腫瘍は胞巣を作らずびまん性に浸潤(びまん型)
【参考文献】

1) Kramer, I.R., Pindborg, J.J., et al.: The World Health Organization histological typing of odontogenic tumours. Introducing the second edition. Eur J Cancer B Oral Oncol 29B: 169-171, 1993.[Y]

2) Jakobsson, P.A., Eneroth, C.M., et al.: Histologic classification and grading of malignancy in carcinoma of the larynx. Acta Radiol Ther Phys Biol 12: 1-8, 1973.[Ⅴ]

3) Willén, R., Nathanson, A., et al.: Squamous cell carcinoma of the gingiva. Histological classification and grading of malignancy. Acta Otolaryngol 79: 146-154, 1975.[Ⅴ]

4) Anneroth, G., Batsakis, J., et al.: Review of the literature and a recommended system of malignancy grading in oral squamous cell carcinomas. Scand J Dent Res 95: 229-249, 1987.[Ⅴ]

5) Anneroth, G., Hansen, L.S.: A methodologic study of histologic classification and grading of malignancy in oral squamous cell carcinoma. Scand J Dent Res 92: 448-468, 1984.[Ⅳ]

6) Yamamoto, E., Kohama, G., et al.: Mode of invasion, bleomycin sensitivity and clinical course in squamous cell carcinoma of the oral cavity. Cancer 51: 2175-2180, 1983.[Ⅳ]

7) Yamamoto, E., Miyakawa, A., et al.: Mode of invasion and lymph node metastasis in squamous cell carcinoma of the oral cavity. Head Neck Surg 6: 938-947, 1984.[Ⅳ]

8) Barnes, L., Everson, J.W., et al.: World Health Organization Classification of Tumours, Pathology & Genetics, Head and Neck Tumours, IARC Press, London, p168-175, 2005.[Y]

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND 浸潤様式/AL)

④検索件数:178件,除外件数:123件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1991-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:oral cancer AND squamous cell carcinoma AND malignancy grading

④検索件数:8件,除外件数:1件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND 浸潤様式/AL)AND(PT =症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:6 件,除外件数:6 件,追加件数:1 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:oral cancer AND squamous cell carcinoma AND malignancy grading Limit( Clinical Trial[ptyp] OR Practice Guideline[ptyp] OR Randomized Controlled Trial [ptyp])AND("2007/9"[PDAT]: "2011/10"[PDAT])

④検索件数:5 件,除外件数:5 件,追加件数:0 件


CQ 3-13  
口腔癌の外科治療において術中迅速病理診断は有用か?
推奨グレードB

すべての切除断端部を検索することは実際的には困難なことが多く,限界はあるが,術中の治療法決定の指標となることから有用である。

【背 景】

術中に切除断端の腫瘍の有無や頸部リンパ節転移の有無を診断できれば,より確実な外科治療を行うことができる。そこで,外科治療における術中迅速病理診断の有用性について検証する。

【解 説】

術中迅速凍結標本は,診断精度の点ではパラフィン標本に劣るが,術中迅速病理診断によって外科治療の変更もあり得ることからその意義は大きい1)〜3)[Ⅳ]。術中迅速病理診断の正診率は97.2%と高く,組織学的分化度および上皮性異形成の正診率も,それぞれ78.7%および80.0%と報告されている4)[Ⅴ]。しかし,一方で凍結標本での切除断端の状態と原発巣再発や頸部転移との間に関連性はないとの報告もなされている4)[Ⅴ]

口腔癌の進展状態は複雑で,術中迅速病理診断ですべての切除断端を検索することは実際的には困難なことが多い。そのため,術中迅速病理診断で断端陰性であっても,術後に手術材料のホルマリン固定標本の検査から腫瘍がみつかることもある。

術中迅速病理検査でのリンパ節転移の診断は比較的容易で5)[Ⅳ],頸部郭清時に用いられる。また,近年ではセンチネルリンパ節の術中迅速病理診断も行われている2)

術中迅速凍結標本は,ホルマリン固定パラフィン標本と比べて診断には病理医の熟練を要す。そのため,診断率の向上のためには術者と診断医の緊密な情報交換が重要である。

【参考文献】

1) Gooris, P.J., Vermey, B., et al.: Frozen section examination of the margins for resection of squamous cell carcinoma of the lower lip. J Oral Maxillofac Surg 61: 890-894, 2003.[Ⅳ]

2) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:口腔癌治療ガイドライン─下顎歯肉癌─ワーキング・グループ案(2005 年1 月版).口腔腫瘍17:87-104,2005.

3) Byers, R.M., Bland, K.I., et al.: The prognostic and therapeutic value of frozen section determinations in the surgical treatment of squamous carcinoma of the head and neck. Am J Surg 136: 525-528, 1978.[Ⅳ]

4) 楠川仁悟,末藤祐一,他:Excisional biopsy における術中迅速凍結切片診断の検討.口腔腫瘍11:83-89,1999.[Ⅴ]

5) Luna, M.A.: Uses, abuses, and pitfalls of frozensection diagnoses of disease of the head and neck. Barnes, L. ed.: Surgical Pathology of the Head and Neck. Marcel Dekker, Inc. New York, p1-12, 2001.[Y](追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND (外科診断/TH OR 術中迅速診断/AL))

④検索件数:152件,除外件数:120件,追加件数:1件

(2)PubMed

①検索期間:1988-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:oral cancer AND frozen sections

④検索件数:5件,除外件数:1件,追加件数:1件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND(外科診断/TH OR 術中迅速診断/AL)) AND(PT=症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:99 件,除外件数:99 件,追加件数:0 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:oral cancer AND frozen sections Limit( Clinical Trial[ptyp] OR Practice Guideline[ptyp] OR Randomized Controlled Trial [ptyp] OR Review [ptyp]) AND ("2007/9"[PDAT]: "2011/10"[PDAT])

④検索件数:4 件,除外件数:3 件,追加件数:3 件


CQ 3-14  
口腔癌において切除断端に異型上皮を認めた症例の再発率は高いか?
推奨グレードC1

異型上皮の程度と再発率の関連性は明らかでないが,切除断端上皮に高度の異型を認めた症例では,原発巣再発率が高いと推察される。

【背 景】

手術標本の検索や術中迅速病理診断時に,切除断端にみられる異型上皮への臨床的対応は常に問題となる。術後の経過観察において,断端の異型上皮の程度と再発との関係を検証する。

【解 説】

口腔癌における切除断端と予後との関連性1)については,断端に癌が陰性の場合の5 年生存率は69%,断端に近接する場合は58%,断端陽性の場合は38%である[Ⅳ]。“切除断端が癌に近接”していた場合,異型上皮が切除断端に存在する可能性が考えられる。しかし,普遍性や再現性のある異型上皮の判定基準がなく,切除断端の異型上皮症例を経過観察したデータも少ない2)3)[Ⅳ]。口腔癌ではヨード不染域を含めて切除されることが多いが,それはヨード不染域は異型上皮の可能性が高いからである4)[Ⅳ]。WHO 分類では異型上皮は上皮性異形成と呼ばれ,軽度,中等度,高度の3 段階に分類されるが,その程度と再発率の相関は明らかではない。しかしながら,近年,わが国で提唱された口腔癌早期病変の分類での口腔上皮内腫瘍を断端に認める症例では, 再発率が高いと報告されている5)6)。切除断端の異型上皮については新たな診断基準による今後のデータ蓄積が待たれる。

【参考文献】

1) Binahmed, A., Nason, R.W., et al.: The clinical significance of the positive surgical margin in oral cancer. Oral Oncol 43: 780-784, 2007.[Ⅳ]

2) 楠川仁悟,亀山忠光:口腔扁平上皮癌に対するExcisional biopsy の適応と実際. 口腔腫瘍13: 261-265,2001.[Ⅳ]

3) 木戸幸恵,野口 誠,他:Stage Ⅰ,Ⅱ 口腔扁平上皮癌の外科療法と予後因子─ excisional biopsy とpreoperative chemotherapy 症例の対比.口腔腫瘍13:271-276,2001.[Ⅳ]

4) 矢島安朝,野間弘康,他:舌癌excisional biopsy におけるヨード生体染色の有用性.口腔腫瘍13:277-282,2001.[Ⅳ]

5) 日本口腔腫瘍学会学術委員会編:舌癌取り扱い指針─ワーキング・グループ案(第1 版).口腔腫瘍17:13-85,2005.

6) 日本口腔腫瘍学会編:口腔癌取扱い規約2010 年度版,金原出版,2010.(追加論文)

【文献検索】

初版時
(1)医中誌

①検索期間:1983-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL) AND Excisional/AL AND (生検/TH OR biopsy/AL)AND(外科診断/TH OR 術中迅速診断/AL))

④検索件数:11件,除外件数:6件,追加件数:0件

(2)PubMed

①検索期間:1997-2007

②検索日:2007/8/20

③検索式: oral cancer AND (operative surgical proedures OR surgical procedures, operative OR surgical) AND margin

④検索件数:9件,除外件数:2件,追加件数:0件

改訂時
(1)医中誌

①検索期間:2008-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:((口腔腫瘍/TH OR 口腔癌/AL)AND Excisional/AL AND(生検/TH OR biopsy/AL)AND(外科診断/TH OR 術中迅速診断/AL))AND(PT =症例報告除く,会議録除く)

④検索件数:0 件,除外件数:0 件,追加件数:1 件

(2)PubMed

①検索期間:2007-2011

②検索日:2011/10/5

③検索式:oral cancer AND(operative surgical procedures OR surgical procedures, operative OR surgical)AND margin Limit( Clinical Trial[ptyp] OR Practice Guideline [ptyp] OR Randomized Controlled Trial[ptyp]) AND("2007/9"[PDAT]: "2011/10"[PDAT])

④検索件数:18 件,除外件数:15 件,追加件数:2 件