本ガイドラインについて

1.目的

本ガイドラインは,口腔癌の診療に携わる医師および歯科医師を対象とし,(1)EBM を重視した標準的な口腔癌の治療を示すこと,(2)治療の安全性と治療成績の向上を図り,治療成績の施設間格差を少なくすること,(3)EBM を重視した合理的な治療適用から,人的,時間的,経済的負担を軽減すること,(4)ガイドラインを広く一般にも公開して,医療者と患者の相互理解にも役立てること,(5)国民が安心して治療を受けられるようにすること,を目的とする。本ガイドラインは治療の適応についての一応の目安を示すものであり,ガイドラインに記載した適応と異なる治療法を施行することを規制または否定するものではない。

2.責任

ガイドラインに記述されている内容に対しては,本会が責任を負うものとする。しかし,治療結果に対する責任は直接の治療担当者に帰属すべきものであり,本会は責任を負わない。

3.作成の基本方針

本ガイドラインは,治療法の適応にとどめ,各治療法の技術的問題には立ち入らない。適正な治療法を示すためには,(1)各治療法が癌の進展に合わせて過不足のない治療であること,(2)治療効果の評価はEBM に基づいたものであること,(3)治療法の最終的な評価は生存期間をもって行うが,症状の寛解,腫瘍の縮小,QOL の改善も評価すること,(4)日常診療として有用な治療法の適応を示すこと,を原則とした。さらに,(5)各治療法について適応の原則,具体的な適応条件を列挙した。また,本文のほかにガイドラインの根拠となるデータや文献をエビデンスレベルを付記して資料編に収録し,利用者の参考に供した。

このガイドラインは,治療法の進歩に応じて随時改訂する。

4.治療法の選択と患者の同意

口腔癌の治療法の選択にあたり,本ガイドラインに基づく治療法であるか否かに関わらず,医師および歯科医師はその治療内容と治療法を選択する理由,合併症,治療成績などを患者に説明し,患者の理解と同意,すなわちインフォームド・コンセント(informed consent)を得ることが必要である。