『大腸癌治療ガイドライン医師用2014 年版』 主な改訂点

以下に,『大腸癌治療ガイドライン医師用2014 年版』における,2010 年版からの主な改訂点を示す。

※詳細は,本文の該当箇所を参照のこと。

※以下に示した点以外に,文献の変更やUpdate が行われている。

1 Stage 0〜StageⅢ大腸癌の治療方針
1)内視鏡治療
改訂箇所 改訂内容の要旨
内視鏡的摘除の適応基準 記載内容を変更した。
コメント④ 保険収載されたESD について追加記載し,分割切除のコメントを変更した。
2)手術治療
改訂箇所 改訂内容の要旨
コメント 〔括約筋間直腸切除術〕に関する記述を追加した。
コメント 〔直腸局所切除〕に関する記述を変更した。
3 再発大腸癌の治療方針
改訂箇所 改訂内容の要旨
アルゴリズム 全身化学療法・局所療法後の外科切除に関して追加した。
4 血行性転移の治療方針
改訂箇所 改訂内容の要旨
アルゴリズム 全身化学療法・局所療法後の外科切除に関して追加した。
5 化学療法
改訂箇所 改訂内容の要旨
本文 大腸癌に対する適応が認められている抗がん剤に,経口剤:regorafenib を追加した。
また,抗がん剤の略称を一部追加・修正した。
1)補助化学療法
改訂箇所 改訂内容の要旨
推奨される療法 推奨される療法にCapeOX を追加した。
コメント④ OX を併用する際の注意事項を追加した。
2)切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法
改訂箇所 改訂内容の要旨
本文9〜17 行目 強力な治療が適応となる患者とならない患者に分けて定義を追記した。
本文18 行目 Cmab,Pmab がKRAS 野生型のみに適応されることを明示した。
本文19〜21 行目 分子標的薬が適応になる場合には化学療法との併用を推奨する旨,分子標的薬が適応にならない場合には化学療法単独を推奨する旨を追記した。
アルゴリズム 強力な治療が適応になる患者とならない患者に分けてアルゴリズムを示した。
アルゴリズム 分子標的薬が適応になる場合には化学療法との併用を推奨する旨,分子標的薬が適応にならない場合には化学療法単独を推奨する旨を追記した。
一次治療 FOLFOXIRI,Cape+Bmab をレジメンに追加した。
二次治療 IRIS,IRI,CapeOX+Bmab,IRI+Pmab をレジメンに追加した。
三次治療以降 記載を追加した。
コメント⑦ FOLFOXIRI に関する記載を追加した。
コメント⑨ regorafenib に関する記載を追加した。
6  放射線療法
1)補助放射線療法
改訂箇所 改訂内容の要旨
コメント① 直腸癌術前照射に併用する化学療法に関する記述を追加した。
コメント④ 〔併用療法〕にCape を追加した。
2)緩和的放射線療法
改訂箇所 改訂内容の要旨
コメント② 骨転移に対する推奨治療に関する記述を追加した。
8 大腸癌手術後のサーベイランス
1)大腸癌根治度A 切除後の再発に関するサーベイランス
改訂箇所 改訂内容の要旨
本文1〜2 行目 pStage 0 症例に対するサーベイランス内視鏡の記述を追加した。
Clinical Questions
改訂箇所 改訂内容の要旨
CQ1 SM 浸潤度1,000μm 以深大腸癌の追加腸切除基準について,記載内容を変更し,「リンパ節郭清を伴う腸切除を考慮する」という意味について詳細な説明を加えた。
CQ3 保険適応となったESD に関するCQ を追加した。
CQ4 「結腸癌およびRS癌に対するD2 以下の腸切除,すなわちcStage 0〜cStageTがよい適応である」の一文を削除した。
CQ4 単孔式手術,ロボット手術に関する記述を追加した。
CQ5 「原発巣による症状がない場合の原発巣切除の有用性は確立されていない」を追加した。
CQ5 姑息的原発巣切除に関するメタアナリシスを追加した。
CQ6 異時性腹膜播種の切除に関する記述を追加した。
CQ8 遠隔転移巣切除後の補助化学療法に関するCQ を追加した。
旧CQ8 CQ 8 の追加に伴い削除した。
CQ11 引用の臨床試験の結果を更新して記述した。
CQ12 肝転移に対する熱凝固療法に関するCQ を追加した。
旧CQ14 本文内容追加に伴い削除した。
CQ 16-1
CQ 16-2
bevacizumab に関するCQ と抗EGFR 抗体に関するCQ に分けて記載した。
CQ17 肝転移に対する肝動注に関するCQ を追加した。
CQ19 切除を指向する場合と症状緩和を目的とする場合に分けて記述した。
CQ20-1 欧米ガイドラインのサーベイランスに関する表を追加した。
CQ20-2 多重がん(多発大腸癌および他臓器がん)に関するCQ として内容を広げて解説した。