はじめに

はじめに

がん診療ガイドラインの策定,普及は,国民が安心してどこでも標準的ながん診療を受けられる環境を構築するうえで必要不可欠なことです。

日本癌治療学会では,がん医療の質の向上,均霑化のためには,がん診療ガイドラインの内容の客観的評価,定期的な改訂作業,医療現場での普及に資する事業が極めて重要であると位置づけており,領域職種横断的ながん診療に貢献する学術団体として,がん診療ガイドラインに関与する各種学術団体との情報交換,ガイドラインの標準化,一般への普及活動を行い,がん診療ガイドラインホームページ(jsco-cpg.jp)の充実に注力してまいりました。

本事業への着手は2001 年に端を発し,2004 年にはがん診療ガイドライン委員会と名称し,さらに2015 年には,本学会におけるがん診療ガイドラインの作成・改訂業務を担うがん診療ガイドライン作成・改訂委員会と,がん診療ガイドラインの運営,評価事業を担当するがん診療ガイドライン統括・連絡委員会の2つの委員会に改編され,各々独立,分業化することにより,さらなるがん診療ガイドラインの充実を図ってまいりました。

2021年現在,がん診療ガイドラインホームページ(jsco-cpg.jp)において,本学会が作成・作成に関与した支持医療に関するガイドラインだけでなく,がん領域の協力学会・研究会にご提供いただいた各種ガイドラインを統一的なフォーマットに整え,広く一般に無料公開しております。本学会ホームページに掲載されたがん診療ガイドラインへのアクセス数も年々増加し,一日平均約1万件のアクセスがあり,医療従事者および国民のがん診療ガイドラインに対する関心の高まりが感じられます。

がん診療ガイドラインは時代とともにその在り方も変遷し,エビデンスの確かさのみならず,患者さんの要望,意向,診療の益と害のバランス,医療コストの評価などさまざまな要素を加味した「エビデンス総体」の評価が行われるようになりました。また,治療法の進歩,新規治療方法の確立とともに,定期的な改訂作業が実施され,また,利用者の視点に沿ったQ&A形式が採用されるなど,絶えず進化を重ねています。さらに,ガイドラインが実際のがん診療にどのように変化を与えたかのアウトカム検証など,成熟の度合いを深めております。

本学会はがん診療ガイドライン公開事業のさらなる充実を通して,がん診療の質の向上に貢献していきたいと考えております。

最後に,がん診療ガイドラインの充実にご尽力いただきました本学会の関係各位,ならびに,各専門領域の学会・研究会から本活動に御協力頂いたすべての皆様に心より感謝の意を表して,序にかえさせていただきます。

一般社団法人日本癌治療学会
がん診療ガイドライン統括・連絡委員会